第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

拡散-疾患

拡散-疾患

Thu. Sep 18, 2014 11:10 AM - 12:10 PM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:松村明(筑波大学大学院人間総合科学研究科 脳神経外科学)

[O-1-016] 健常女性の生理周期における拡散強調像を用いた脳温度測定の検討

塚本太朗1, 下野太郎1, 崔朝理1, 酒井晃二2, 山本晃1, 坂本真一1, 三木幸雄1 (1.大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学教室, 2.京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻情報理工医療学講座)

【目的】
妊娠可能年齢の健常女性の生理周期における脳温度と体温の関係を明らかにすることが目的である。

【方法】
21.3歳から38.8歳までの平均28.8歳の健常女性20人について、卵胞期と黄体期にそれぞれ1回ずつ頭部MRI撮像を行い、b=200とb=800の拡散強調像より側脳室内の拡散係数を求め、拡散係数より脳温を算出した。またMRI撮像時の体温を舌下、腋窩、鼓膜より測定した。本研究では被験者の卵胞期と黄体期はそれぞれの基礎体温と生理周期の記録により決定した。脳温度と体温について卵胞期と黄体期で差があるかどうかpaired t-testで、また脳温度と体温に相関があるかどうかについてピアソンの積率相関係数の有意性検定を行い、P<0.05を有意とした。

【結果】
20人の脳温度は卵胞期で平均36.24°C、黄体期で平均36.96°Cであり、paired t-testで有意な差(P<0.0001)を認めた。また卵胞期、黄体期の舌下温度は平均36.65°C, 平均36.97°C、腋窩温度は平均36.48°C, 平均36.76 °C、鼓膜温度は平均36.72°C, 平均37.10°C であり、それぞれpaired t-testにより卵胞期、黄体期で有意な差(P=0.0001, P=0.0011, P<0.0001)を認めた。脳温度と舌下温度、脳温度と腋窩温度、脳温度と鼓膜温度についてのピアソンの相関係数はr=0.244, r=-0.033, r=-0.046であり、それぞれP=0.1291, P=0.8387, P=0.7769であった。

【結論】
妊娠可能年齢の女性において脳温度および体温は卵胞期に比べ黄体期において有意に高かった。体温が生理周期に伴って変動していることは知られているが、脳温についても生理周期に伴って変動していることが判明した。一方で脳温と舌下温度、腋窩温度、鼓膜温度は、いずれについても有意な相関関係はみられなかった。