第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-EOB

肝臓-EOB1

Thu. Sep 18, 2014 9:30 AM - 10:20 AM 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:磯田裕義(京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座)

[O-1-037] Split法を用いたGd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相における肝実質・腫瘤間コントラストの再評価

那須克宏, 橋本美智子, 森健作, 南学 (筑波大学大学院人間総合医学研究科 疾患制御医学専攻応用放射線医学分野)

【目的】Gd-EOB-DTPA造影MRI(EOB-MRI)の肝細胞相における肝腫瘤へのEOB取り込みは肝実質・腫瘤間のコントラストを視覚的に評価し判断されているのが現状と思われる。我々は以前EOB-MRIにおける信号強度を半定量的に評価可能な撮影方法としてsplit法を報告した。今回、split法を用いて肝細胞相における肝腫瘍、肝実質のEOB取り込みと肝実質・腫瘤間コントラストの間の関連について検討した。
【方法】対象はsplit法を用いたEOB-MRIが行われ病理が判明した肝腫瘤性病変72例(HCC47例、HCCではない肝腫瘤25例)である。造影前および肝細胞相において腫瘤と肝実質の信号強度を測定し、それぞれSItumor-pre, SItumor-HB, SIh-pre, SIhepatic-HBとした。(SItumor-HB)/(SItumor-pre)をCURt、(SIhepatic-HB)/(SIhepatic-pre)をCURh、(SIhepatic-HB)/(SItumot-HB)をRCRとした。HCC群、非HCC群の間でRCR、CURh、CURtの関係をMann-Whitney検定を用いて解析した。またCURt, CURhを独立変数、RCRを従属変数とした重回帰分析を行った。
【成績】RCRはHCC群で1.45、非HCC群で1.77と非HCC群が有意に高値を示した。CURtはHCC群、非HCC群ともに1.48と有意差が無く、CURhはHCC群で1.75、非HCC群で2.01と非HCC群で有意に高値を示した。重回帰分析においてはRCRに対してCURtは-0.54と負の回帰を、CURhは0.78と正の回帰を示し、両者ともに有意であった。【結論】肝細胞相においてHCC群と非HCC群との間で腫瘤へのEOBの取り込みに差異は見られず非HCC群がHCC群に比べて肝細胞相における肝実質・腫瘤間コントラストが明瞭である要因は周囲肝のEOB取り込みの違いに起因していると思われた。また肝細胞相における肝実質・腫瘤間コントラストには腫瘤へのEOB取り込みと周囲肝のEOB取り込みが関与していることが確認された。