[O-1-082] cDWI(computed diffusion-weighted imaging)において元画像のSNRが与える影響
目的: cDWIは、2つ以上の実測b値から、高いb値のDWIを計算により求める方法で、背景信号の抑制や腫瘍検出能の向上が期待されている。しかし、信号強度が低いピクセルは、ノイズによりb=0よりb=1000s/mm2の信号強度がより高く測定される(ADC<0)場合があり、cDWIにおいて高輝度を生じる現象を経験した。元画像のSNRが低い場合と高い場合でノイズの出現割合に差異を生じるかについて検討した。方法: 撮影装置は3T MRI (DISCOVERY MR 750w GE 社製)。健常ボランティアで頸部(b=1000)および肝臓(b=500)を、短時間(1m10s及び21sec)および長時間(7m28s及び2m48s)撮影し、cDWIにおける不良ピクセル(ADC<0もしくはADC<0.4)の割合をワークステーション(Ziostation2)で測定し、比較した。結果:元画像およびcDWI(高輝度ノイズ)を図に示す。ADC<0およびADC<0.4となる不良ピクセルの割合は各々、頸部では7.2%, 14.1%(短時間撮影)、1.8%, 3.3%(長時間撮影)、肝臓では4.0%, 6.9%(短時間撮影)、0.2%, 0.4%(長時間撮影)と、短時間撮影においてより多かった。考察:cDWIの計算において、元画像のSNRが(高輝度)ノイズに影響する。息止め撮影など低SNR画像の適用には良好なcDWI画像が得られない可能性に注意する必要がある。逆にcDWIを元画像の画質評価に応用できる可能性もある。