第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

躯幹部拡散-基礎

躯幹部拡散-基礎

2014年9月18日(木) 11:20 〜 12:10 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:押尾晃一(慶應義塾大学医学部 放射線診断科)

[O-1-083] 全身MRI(WB-MRI) 及びFDG-PET/CTの転移性悪性腫瘍の診断能についての比較

中西克之, 田中義和, 中澤哲郎, 上田忠 (大阪府立成人病センター)

目的:悪性腫瘍の全身転移検索につき、WB-MRIとFDG-PET/CTの描出能につき、比較検討を行なった。方法:対象は悪性腫瘍で全身転移検索を目的に施行1ヶ月以内にWB-MRIとFDG-PET/CTが施行された24例である。我々は今回、これらの症例に後ろ向きに分析を行った。画像は全脊椎矢状断T1WI、全脊椎矢状断STIR( repletion time[TR]14000/echo time[TE]60/inversion time[TI]240ms; b value:0 and 800s/mm2; 4-mm slice thickness; 140×1401matrix)、下頚部-大腿近位部横断DWI、下頚部-大腿近位部冠状断T1WIを撮影した。MR-DWIBSの画像の読影は3名の経験年数の異なる放射線診断医が行った。PET-CTは10年以上PET-CTの読影歴のある放射線科診断医が行った。病変が転移性病変であるかの最終判断(GOLD STANDARD)はStaff 放射線診断医による、最低6ヶ月間のfollow upを合議で決定した。この間CT,単純 XP,局所MR、骨シンチグラムなどを交えての総合判定とした。結果:91病変が悪性病変と最終判断された。MR-DWIBSでは平均55.7病変がGOLD STANDARDと一致し、感度70.5%、陽性的中率が61.1%であった。PET-CTでは64病変がGOLD STANDARDと一致し、感度70.3%、陽性的中率64%であった。骨病変の指摘についてはDWIBSは感度、陽性的中率がそれぞれ、74.2% 、78.6%、PET-CT はそれぞれ62.3%、65.5%であり、骨転移の指摘についてはMR-DWIBSがPET-CTより優位であった。結論:MR-DWIBSは骨転移の診断においてはPET-CTよりも感度、陽性的中率ともに優位であり、MR-DWIBSが有効な検査であると考えられた。