第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

乳腺-造影

乳腺-造影

2014年9月18日(木) 14:10 〜 14:40 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:後藤眞理子(京都府立医科大学 放射線科)

[O-1-089] 脂肪プロトン成分のT1による温度分布画像化のための信号処理法の検討

森田修平1, ミーキー ラム2, ウィルバート バーテルズ2, 今井裕3, 黒田輝1,4 (1.東海大学工学研究科 情報理工学専攻, 2.ユトレヒト大学メディカルセンター 放射線科, 3.東海大学医学部 放射線科, 4.神戸国際医療交流財団国際医療機器開発センター)

【目的】MRガイド下集束音波治療では対象組織周辺の温度分布画像が必要である.高含水組織ではプロトン共鳴周波数を使用することで温度分布の画像化が可能である.しかし脂肪組織のみを含むボクセルではこの方法を使用することができない.そこで我々は多フリップ角法・多点ディクソン法に基づく線形最小二乗法よる温度分布画像化法を提案した.今回我々はこの信号処理法を簡単化するための先験情報を組織実験によって求め,その結果を下に各成分のT1計測を行った.【方法】温度を変化させながら11T分光器によりウシ脂肪組織のプロトンスペクトルを観測し,脂肪成分毎の信号強度及びT1を測定した.各温度における脂肪の化学シフト成分の強度及びT1の比を単回帰分析を用い求め,これらを先験情報として,水に加えCH2,CH3,他の脂肪成分も含む9成分を持つ数値ファントムによりモデルの忠実さによる振幅、T1値を評価した.【結果】モデル成分数の違いによる振幅及びT1の推定誤差の違いを表1に示す.3成分モデルではH2O,CH2,CH3のT1推定誤差はそれぞれ1.2%,1.2%,0.9%であった.一方9成分モデルでは0.02%,0.03%,0.3%となった.【結論】主な成分のみの3成分モデルよりも,与えた数値ファントムのモデル数に忠実な9成分モデルを用いた方がよい結果となった.これより,振幅比ならびにT1比を先験情報として与えると共に,必要な成分を含むモデルを用いることが有用であることが示唆された.