[O-1-111] 3D UTEを用いた薄層胸部MRIによる肺及び縦隔病変評価能と間質性肺炎評価能に関する薄層CTとの比較検討
【目的】超短時間エコー(Ultra-Short TE: 以下UTE)を用いた薄層胸部MRIによる肺及び縦隔病変の評価能と間質性肺炎評価能に関する薄層CTとの比較検討【対象】 対象は肺疾患患者であり,全例にMDCTによる薄層CT(TSCT)とUTEを用いた薄層胸部MRI(UTE-MRI)が撮像された32 名である。UTE-MRIは呼吸同期3D radial UTE 法(TR 4.0 ms/ TE 96 μs, flip angle 5 degree)にて撮像した。そして,両手法において肺区域毎に区域枝から肺末梢にかけての肺血管描出能,区域枝から亜区域枝レベルにかけての気管支描出能,すりガラス影,蜂窩肺,牽引性気管支拡張,粒状影,結節,ブラ,肺気腫の描出能をTSCTおよびUTE-MRIにて5段階で評価した。また,動脈瘤,胸水及び心嚢水,胸膜肥厚,腫瘤,リンパ節腫脹に関しては同様に5段階で患者毎あるいはリンパ節毎で評価した。また,併せて間質性肺炎におけるUIPの可能性に関してATS/ERS/JRS/ALAT statementに沿って3段階で評価した。次いで,上記の肺及び縦隔病変描出能に関して両手法間での一致率をkappa検定およびχ2検定で評価した。また, UIPの可能性に関する評価においても同様に両手法間での一致率をkappa検定およびχ2検定で評価した。【結果】縦隔病変に関しては両手法の一致率はalmost perfect(0.81<κ<1.00, p<0.0001)であったが,肺病変に関する両手法の一致率は肺気腫(κ=0.42, p<0.0001)を除いて substantial或いはalmost perfect(0.78<κ<0.94, p<0.0001)であった。UIPの可能性に関する両手法の一致率に関してはsubstantial (κ=0.77, p<0.0001)であった。 【結語】UTEを用いた胸部薄層MRIは薄層CTと同様に肺及び縦隔病変を評価することが可能であるとともに,間質性肺炎のUIPの程度を評価することが可能であることが示唆された。