第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肺-診断

肺-診断

Thu. Sep 18, 2014 10:50 AM - 11:30 AM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:栗原泰之(聖路加国際病院 放射線科)

[O-1-112] 肺結節・腫瘤の同定・良悪性鑑別能に対するComputed High b-Value DWIの有用性の検討

神山久信1, 大野良治1, 関紳一郎1, 西尾瑞穂1, 吉川武1, 松本純明1, 油井正生2, 上田優3, 京谷勉輔3, 山形仁2, 杉村和朗1 (1.神戸大学 放射線科, 2.東芝メディカルシステムズ株式会社, 3.神戸大学付属病院 放射線部)

【目的】肺結節・腫瘤の同定能と良悪性鑑別能に対するComputed high b-value diffusion weighted MRI (cDWI) の有用性の検討。【方法】対象は病理学的もしくは2年以上の経過観察にて診断が確定された97症例(男:女=64:33,平均年齢;69.1歳)、121結節・腫瘤(平均;28.9mm、中央値;24mm、悪性:良性=97:24)。全例において、1.5T MR装置にて、b値が0、500、1000 s/mm2のDWIを撮影し、cDWIとしてソフトウエアーを用いb=0と500のデータよりb=1000 s/mm2のcDWI (cDWI1000) を作成した。結節同定能を評価するために、cDWI1000と実際のDWIによりえられた500 s/mm2(aDWI500) と1000 s/mm2(aDWI1000) における病変同定能を2人の放射線科医の合意により評価した。次に肺病変の良悪性鑑別を評価するために、病変部と脊髄に関心領域を設定しそれらの信号比(lesion to spinal cord ratio;LSR) を計測した。最初にaDWI500、aDWI1000、cDWI1000の結節同定能をMcNemar's testにて比較した。次に肺病変の良悪性鑑別のために、ROC-based positive test を用いてLSRの至適域値を設定し、McNemar's testを用いて良悪性鑑別能を比較した。【成績】aDWI500 の結節同定能は99.2%で、aDWI1000(92.6%)よりも有意に高かったが(p<0.05)、cDWI1000(96.7%)とは有意な差は見られなかった(p<0.05)。良悪性鑑別能に関しては、aDWI500、aDWI1000、cDWI1000の間に有意な差は見られなかったが、aDW500I、aDWI1000と比較して、aDWI500とcDWI1000の組み合わせにより有意に上昇した(感度;80.4%、p<0.05、正診率;76.9%、p<0.05)。【結論】Computed high b-value DWIは有用な手法であり、単一b値のaDWI500とそれから得られるcDWI1000を組み合わせることにより結節同定能・良悪性鑑別能の向上に繋がる。