第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

拡散-基礎

拡散-基礎1

Fri. Sep 19, 2014 10:20 AM - 11:20 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:増谷佳孝(広島市立大学大学院情報科学研究科)

[O-2-142] 甲状腺眼症における外眼筋の拡散能: DSDE-TFE法を用いた検討

樋渡昭雄1, 栂尾理1, 山下孝二1, 菊地一史1, 小原真2, 本田浩1 (1.九州大学 臨床放射線科学, 2.フィリップスメディカルシステムズ株式会社)

【目的】 日常臨床で用いられるEPI-DWIでは、外眼筋を評価することは困難である。3D turbo field-echo with diffusion-sensitized driven-equilibrium preparation (DSDE-TFE)法は磁化率アーチファクトに強く、高い空間分解能を有する。本研究の目的は本法を用い、甲状腺眼症における外眼筋の拡散能を評価することである。【対象と方法】23名の甲状腺眼症患者(女性17名、男性6名;26-83歳、中央値57歳)を対象とした。3TのMRI装置(Achieva Quasar Dual, Philips)を用い、8チャンネルの頭部用コイルで撮像した。DSDE-TFE法のMPGパルスは前後方向一方向に印可し、b値は0と500 s/mm2を用いた。その他のパラメーターはTR/TE = 6.2/3.0 ms, FA = 10°, ETL = 75, FOV = 240 mm, voxel size = 1.5×1.5×1.5 mm3, NEX = 2, acquisition time = 5 min 22 sで、冠状断再構成像で最大割面の外眼筋のADCを計測した。また、T1強調像、脂肪抑制T2強調像、造影後脂肪抑制T1強調像も撮像し、それぞれ冠状断にて評価を行い、断面積と正常側頭葉白質との信号比を求めた。臨床所見としてはClinical activity score (CAS)を評価した。統計解析はPearson 相関係数、線形回帰分析、Mann-Whitney U testを用い、P値0.05未満を有意差ありとした。【結果】外眼筋は全例でDSDE-TFE法にて良好に描出された。外眼筋のADCは2.23 ± 0.42×10-3 mm2/s(平均±標準偏差)で、外眼筋のサイズと相関がみられた(r = 0.58, p < 0.001)。外眼筋のADCは他のMRIでの信号強度比やCASとの相関は見られなかった(p > 0.05)。【結語】DSDE-TFE法を用いたDWIは空間分解能が高く、磁化率アーチファクトに強く、甲状腺眼症における外眼筋の拡散能評価に有用であった。