[O-2-145] Readout segmented-EPIで得られるADC値について:single shot-EPIとの比較
【背 景および目的】readout segmented-EPI(RS-EPI)は従来から使用されているsingle shot-EPI(SS-EPI)に比べてecho spaceを短くでき、歪みを低減できる撮像法である。echo space短縮に伴い、選択可能なTEが短くなり、拡散強調画像(diffusion weighted imaging;DWI)におけるSNRを向上させ、磁化率アーチファクト等を低減させる。一方、DWIで得られるみかけの拡散係数(apparent diffusion coefficient;ADC)は、ADC≒D+f/b(D;拡散時間、f;灌流成分)で表され、定量的な評価に使用される。本研究では、RS-EPIで得られるADC値について、従来法(SS-EPIで得られるADC値)と比較検討した。
【方 法】MRI装置はMAGNETOM Skyra3.0T(SIEMENS社製)、受信コイルはHead-Neckコイル(20ch)を用いた。プラスチック製容器に中性洗剤を封入したものを ファントムとした。RS-EPI(RESOLVE)とSS-EPIにおいて、matrix=128×128、BW=1302Hz/Px、TR= 10000msとし、TE=78ms (RS-EPI)/144ms(SS-EPI)、b値=0,1000sec/mm2にて加算回数を1から15まで、TE=63-100(RS-EPI)/144-161ms(SS-EPI)、加算回数1回 にてb値を50から5000 sec/mm2まで段階的に変化させたときのADC値を比較した。RS-EPIのsegment数は3とした。また、各条件の高b値のDWI画像でSNRを測定し、SNRとADC値の関係を評価した。
【結 果】加算回数およびb値を変えた場合、RS-EPIで得られたADC値はSS-EPIで得られたADC値に対 して最大約3%低値を示し、加算回数が大きいほど両者の差は小さくなった。SNRはRS-EPIがSS-EPIに比べて最大35%高値を示し、どちらもSNRが一定値以下になるとADC値が低下しはじめ、以降はSNRが低下するほどADC値が低下した。
【考 察】RS-EPIではecho spaceおよび最短TEが短くなるため、拡散以外の影響が減少し、ADC値が相対的に低値を示したと考えられる。また、両撮像とも低SNRでは高b値 DWI画像の信号に含まれるノイズ成分が増加したことで、ADC値が低下したと考えられる。
【結論】RS-EPIで得られるADC値はSS-EPIで得られるADC値に比べて低値となる傾向があるが、その差は最大3%程度であった。また、どちらも低SNRではADC値が低下する傾向を示した。
【方 法】MRI装置はMAGNETOM Skyra3.0T(SIEMENS社製)、受信コイルはHead-Neckコイル(20ch)を用いた。プラスチック製容器に中性洗剤を封入したものを ファントムとした。RS-EPI(RESOLVE)とSS-EPIにおいて、matrix=128×128、BW=1302Hz/Px、TR= 10000msとし、TE=78ms (RS-EPI)/144ms(SS-EPI)、b値=0,1000sec/mm2にて加算回数を1から15まで、TE=63-100(RS-EPI)/144-161ms(SS-EPI)、加算回数1回 にてb値を50から5000 sec/mm2まで段階的に変化させたときのADC値を比較した。RS-EPIのsegment数は3とした。また、各条件の高b値のDWI画像でSNRを測定し、SNRとADC値の関係を評価した。
【結 果】加算回数およびb値を変えた場合、RS-EPIで得られたADC値はSS-EPIで得られたADC値に対 して最大約3%低値を示し、加算回数が大きいほど両者の差は小さくなった。SNRはRS-EPIがSS-EPIに比べて最大35%高値を示し、どちらもSNRが一定値以下になるとADC値が低下しはじめ、以降はSNRが低下するほどADC値が低下した。
【考 察】RS-EPIではecho spaceおよび最短TEが短くなるため、拡散以外の影響が減少し、ADC値が相対的に低値を示したと考えられる。また、両撮像とも低SNRでは高b値 DWI画像の信号に含まれるノイズ成分が増加したことで、ADC値が低下したと考えられる。
【結論】RS-EPIで得られるADC値はSS-EPIで得られるADC値に比べて低値となる傾向があるが、その差は最大3%程度であった。また、どちらも低SNRではADC値が低下する傾向を示した。