第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

灌流-脳疾患

灌流-脳疾患

Sat. Sep 20, 2014 10:30 AM - 11:20 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:山田惠(京都府立医科大学 放射線医学教室)

[O-3-282] territorial ASLを用いたSTA-MCAバイパス血管支配血流域のマッピング

小原真1, 岩本勝一2, 奥秋知幸3, 一ノ関雅明2, マルク ヴァンカウテレン3 (1.株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン, 2.函館脳神経外科病院, 3.フィリップスヘルスケアアジアパシフィック)

【目的】territorial ASL (tASL)は、目的とする血管内スピンを選択的にラベリングすることで、その血流支配領域の描出を可能とする技術である。昨年本学会において、multi-phase tASL(Mph-tASL)で得られたデータにt検定処理を施すことで、頭蓋内主要血管の支配血流域のマッピングおよび領域を定量計測する方法を発表した。今回は、STA-MCAバイパス(浅側頭動脈-中大脳動脈吻合)術施行例において、バイパス血管を選択的にラベリングし、支配血流域のマッピングを試みたので報告する。【方法】使用装置はPhilips社製Achieva3.0Tで、バイパス術施行症例2名に対して、脳主要血管全体のラベリングおよびバイパス血管選択的ラベリングを1セットとしてMph-ASLによるデータ収集を行った。ASLラベリング画像とコントロール画像を20セット収集し、2画像間の信号強度に有意差のあった(t検定でp<0.05であった)ピクセル数を血流域とした。次に脳全体の血流域とバイパス血管の支配血流域を重ねてマッピングし、ASLの元画像あるいはTOF-MRAから予測されるバイパス血管の血流域と比較した。【結果】MPh-tASL施行2症例に対して、バイパス術後に予測される領域に血流域が認められた。【総括】t検定を用いたバイパス血管支配血流域のマッピングを試みた。Mph-ASLで得られる元画像すべてを確認することなく、簡便にバイパス術後の予後を評価できる可能性が示唆された。今後症例を増やして検討する必要がある。