[O-3-311] 3T装置におけるFOCUSを用いた上腹部領域の息止め拡散強調画像の検討
【目的】FOCUS(Fov Optimized and Constrained Undistorted Single-shot)は局所励起技術を用いて従来の拡散強調画像(EPI-DWI)よりも歪みの少ない,空間分解能の高い技術である.今回はFOCUSの技術を用いて,上腹部領域(膵臓)を対象に,息止めにて拡散強調画像(FOCUS-DWI)の撮影条件を検討したので報告する.【使用機器】GE Healthcare社製DISCOVERY750.32ch body array coil.円形ファントム(日興ファインズ社製90-401型ファントム)【方法】円形ファントムを用いてEPIとFOCUSを撮像しSN比とADC値を測定した.SN比は均一ファントムを撮像し差分法より求めた.ADC値の測定は均一ファントム内の含水率の異なるPVAゲルを封入した円筒ファントムのADC値を測定した.可変パラメーターはTR2000-5000,NEX1-12,位相マトリックス64,48,32,MPG印加方法tetrahedral(TETRA),3軸同時印加(3in1),3軸異時印加(ALL),b-factorを800,500,300と変化させた.固定撮像条件はFOV20cm,phase FOV0.5,スライス厚4mm,スライス間隔1mm,周波数マトリックス128にて撮像した.健常ボランティアを撮像し,膵臓描出程度,腸管の抑制,画質の5段階の視覚評価をした.(1poor-5good)【結果】SN比ではMPG印加方法はTETRA,位相マトリックスは32,b-factorは300の時大きかった.撮像時間が同じの場合,TRを変化させた時よりもNEXを変化させた時の方がSN比の変化率が大きかった.(TR,NEX:1.26,1.36)FOCUSのADC値はEPIと大きな違いはなかった.視覚評価ではMPG印加方法はTETRAが良好だった.(TETRA,3in1,ALL;4.0,3.3,3.5)位相マトリックス数を減らすことでSN比は向上したが,分解能が低下し,ボケが大きくなった.(64,48,32:3.8,3.6,3.3)b-factorは800では低下した.(800,500,300:3.3,3.8,3.5)【まとめ】上腹部領域における息止めFOCUS-DWIはTR:2000,NEX:3,MPG印加方法:TETRA,位相マトリックス:64,b-factor:500の時,有用であると考えられた.