第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肺-基礎

肺-基礎

Sat. Sep 20, 2014 9:40 AM - 10:30 AM 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:大野良治(神戸大学大学院医学研究科 先端生体医用画像研究センター)

[O-3-313] 肺動静脈奇形の診断および治療効果判定におけるTime-SLIP非造影MRAの有用性

濱本耕平1, 千葉英美子1, 大塚昭2, 小澤耕一郎2, 小山芳征2, 松浦克彦1, 田中修1 (1.自治医科大学附属さいたま医療センター 放射線科, 2.自治医科大学附属さいたま医療センター 中央放射線部)

【目的】肺動静脈奇形の診断および治療効果判定におけるTime-SLIP非造影MRAの有用性を検討する。【対象と方法】2012年10月から2014年4月までの間で、造影CTあるいは造影MRIにて肺動静脈奇形と診断され、血管造影が施行された連続10例のうち、除外項目該当患者1例(心房細動)を除いた9例、27病変(未治療24病変、コイル塞栓後再開通病変3病変)を対象とした。血管造影前にTime-SLIP非造影MRI(TS-MRA)を施行し、2名の放射線科医が独立して画質評価(1:診断不能~4:最良)を行い、血管造影所見および造影CT・MRI所見と比較した。また、6例10病変ではコイル塞栓後にも同様の評価を行った。使用装置:東芝メディカルシステムズ社製Vantage Titan 3.0T、撮像シークエンス: Time-SLIP 3D-FASE Alternate法、心電図および呼吸同期の併用。Time-SLIPパルスは右心系に矢状断方向にて印加した。【結果】全例、全病変で肺動静脈奇形の描出が可能であり、血管造影および造影CT・MRI所見と一致していた。画質評価スコアは(平均±標準偏差)、読影者1で3.5 ± 0.7、読影者2で3.6 ± 0.7であった。また、Time-SLIPパルス印加および非印加画像の組み合わせにより、供血肺動脈および血管嚢と、肺静脈の選択的MRA画像を得ることができ、コイル塞栓後再開通病変の診断も可能であった。コイル塞栓後の評価では、4例7病変で供血肺動脈および血管嚢の消失を認め、造影CT・MRI所見と一致していた。3例3病変では、塞栓後も供血肺動脈および血管嚢の描出を認め、いずれも血管造影で病変の再開通が確認された。【結論】TS-MRAは、肺動静脈奇形の治療前診断および治療効果判定における非侵襲的検査として、有用かつ実行可能な手法であると考えられる。