[P-1-008] 19F/1H二重同調アレイコイルの初期検討
【はじめに】19F含有薬剤の薬物動態評価を目的として19F-MRIによる動態計測[1]が試みられている。19Fは1Hに次ぐ高い信号強度を示すが,生体に投与可能な19F含有薬剤の量は微量であるため,MRI装置の高感度化が求められている。高感度化手法の一つにアレイコイルを使用する方法がある。一般にアレイコイルを構成する各コイルは他のコイルとの磁気結合を除去するため,コイルループの一部を重ねる手法と低入力プリアンプを用いる手法の両方が施されている[2]。しかしながら二重同調コイルでは低入力プリアンプを用いる手法では磁気結合が除去できない。そこで本検討では,二重同調RFコイルで使用可能な新たな磁気結合除去手法を検討した。
【方法】二重同調RFコイルは,コンデンサを挿入したコイルループの直列共振回路(共振周波数はfA)に対して,2つのLC直列共振回路(fB,fC)を並列に接続された構成のものを用いた[3]。プリアンプは,FETを用い入力回路が直列共振回路(fD)で構成されているものを用い,二重同調RFコイルに並列に接続した。ここで19Fと1Hの磁気共鳴周波数はfF,fHとする。各直列共振回路の共振周波数はfB<fF<fA=fD<fH<fCを満たす様に調整する。このように調整することにより,プリアンプから見た二重同調RFコイルはfF,fHで共振する。同時にコイルループの両端から見たプリアンプ側のインピーダンス特性はfF,fHで高インピーダンスを示す。すなわち他のコイルのとの磁気的干渉を除去が可能となる。磁気結合の評価には,磁気結合が除去された2chの磁界プローブを用いて通過特性を求め評価した。
【結果】プリアンプを用いた磁気結合除去手法によりfF,fHでの周波数通過特性はそれぞれ15 dB,20 dB減衰することを確認した。またコイルループの一部を重ねる手法ではそれぞれ32dB,21dB減衰することを確認した。これらから磁気結合が除去できていることを確認した。
【参考文献】[1] Doi Y, et al., MRM, 2009;62:1129-1139.[2] Roemer PB, et al., MRM, 1990;16:192-225. [3]大竹他 日磁医学会 2008;O-1-94
【方法】二重同調RFコイルは,コンデンサを挿入したコイルループの直列共振回路(共振周波数はfA)に対して,2つのLC直列共振回路(fB,fC)を並列に接続された構成のものを用いた[3]。プリアンプは,FETを用い入力回路が直列共振回路(fD)で構成されているものを用い,二重同調RFコイルに並列に接続した。ここで19Fと1Hの磁気共鳴周波数はfF,fHとする。各直列共振回路の共振周波数はfB<fF<fA=fD<fH<fCを満たす様に調整する。このように調整することにより,プリアンプから見た二重同調RFコイルはfF,fHで共振する。同時にコイルループの両端から見たプリアンプ側のインピーダンス特性はfF,fHで高インピーダンスを示す。すなわち他のコイルのとの磁気的干渉を除去が可能となる。磁気結合の評価には,磁気結合が除去された2chの磁界プローブを用いて通過特性を求め評価した。
【結果】プリアンプを用いた磁気結合除去手法によりfF,fHでの周波数通過特性はそれぞれ15 dB,20 dB減衰することを確認した。またコイルループの一部を重ねる手法ではそれぞれ32dB,21dB減衰することを確認した。これらから磁気結合が除去できていることを確認した。
【参考文献】[1] Doi Y, et al., MRM, 2009;62:1129-1139.[2] Roemer PB, et al., MRM, 1990;16:192-225. [3]大竹他 日磁医学会 2008;O-1-94