[P-1-013] Multi-stack CINEMA-FAIRによる両手末梢動脈描出の検討
【目的】関節リウマチの早期診断および活動期の病態を知る上で、血流の評価が重要であることが知られており、非侵襲的で経過観察が容易な非造影MRAの臨床応用が期待されている。Time-SLIP法を用いた手指MRAはラベリング後の一定の遅延時間を設定することにより末梢動脈まで良好に描出可能であるが、末梢動脈の描出能は血流速に大きく依存し、遅い血流程ラベリング後の遅延時間の最適化が難しい。近年、ASLとLook-Lockerサンプリングの技術を用いた非造影time- resolved MRA (CINEMA:Contrast inherent INflow Enhanced Multi phase Angiography)が報告されている。CINEMA法は遅延時間の異なるデータを複数回収集するため流速による末梢血管描出能へ与える影響は少ない。今回我々は、経時的観察が可能なCINEMAを応用し、両手の末梢動脈描出の検討を行った。【方法】Philips社製Achieva TX 3.0T、32ch torso-cardiac coilを用い、IRBの承認を得たボランティア5名を対象に、両手末梢動脈の描出についてコントラスト比の測定と視覚評価を行った。CINEMAシーケンスとして、FAIR 法を用いてmulti phase 3D-T1TFEでデータ収集し、さらに末梢動脈の描出向上のために複数のstackに分割して撮像した。【結果】Multi-stack CINEMA-FAIR法を用いることで、良好な両手末梢動脈描出が安定して得られた。また、2stackに分割することにより手指動脈末梢の描出も可能となった。今後の臨床応用が期待される。