[P-1-025] 心筋遅延造影MRIにおける心拍数とNull pointの関係について
心筋遅延造影MRIにおける心拍数とNull pointの関係について【背景】心筋造影MRIは心筋のバイアビリティー評価において簡便で非侵襲的な画像診断方法である。その方法の1つとして180°反転pulseを印加してから正常心筋がnullになる時点でデーター収集を行い、正常心筋と傷害心筋のコントラストをよくする方法が用いられる。また、null pointの把握には任意の断面において異なるinversion time(TI)の画像が取得可能なlook locker法(LL法)が用いられる。当院もこの方法を用いて検査を行っている。しかし、LL法で用いられたnull pointが実際の撮像で用いられる3D IR- T1TFE法のnull pointと同じ値とは限らない。そこで心拍数によってnull pointはどのように変化するのかを比較検討した。【使用機器】Philips社製Ingenia3.0T torso coil自作心筋ファントム【方法】(1)LL法にて模擬心電図を用いて心拍数を40~140まで20msec刻みに変化させ6パターンのnull pointを算出する。(2)LL法より得られた6パターンのnull pointを3D IR- T1TFE法のTIとして前後10点を20msec刻みに撮像し3D IR- T1TFEのnull pointを算出し比較検討した。(3) (1)(2)と同様の方法にて心拍数80~120に対して2心拍に1回の間隔に変更し比較検討した。【結果】(1) 心拍数が早くなるにつれてnull point が短縮された。(2) 心拍数40ではLL法とのnull pointのずれはなかったが高心拍なるにつれて3D IR- T1TFEとのnull pointの差が大きくなった。(3) 2心拍に1回の間隔で撮像を行うことによって1心拍に比べLL法のnull pointは延長した。また2心拍にする事によってLL法と3D IR- T1TFE法のnull pointの差が小さくなった。【結語】当院で用いているLL法と3D IR- T1TFE法にはnull pointに差があった。特に高心拍になるにつれてnull pointの差が大きくなった。改善策としては2心拍に1回の撮像とすることで改善されるが、撮像時間の延長等の問題もある。心拍数によって3D IR- T1TFE法のTIを変えることによりnull pointのずれを少なくできると考えた。