[P-1-024] 左心室長軸位の2断面を用いた心収縮能の解析
【背景・目的】
一般的に,医用画像を用いた左心室容積算出にはSimpson法による左心室容積曲線を用いた評価方法が用いられているが,MRIの画像はアーチファクトによる影響で心筋と内腔の境界が明確でない場合がある.そこで,左心室長軸位の心基部,心尖部を基準とした設定点間距離の計測を行い,左心室収縮能の算出を目的とする.
【方法】
撮像装置にはPhilips社製MRI(Achieva 3.0T X-siries)を用いた.また,画像解析にはImageJを用いた.撮像シーケンスおよびパラメータは次の通りである.Balanced TFE,TR:3ms,TE:2ms,FA:40°,slice数:1回の息止めで撮れる枚数,NEX:1,slice thickness:10mm,FOV:220×220,matrix size:128×128.撮像対象は首都大学東京大学院倫理委員会の承諾のもと,インフォームドコンセントにより研究に対して同意が得られた健常ボランティアとし,呼吸停止下心電図同期撮像を行い,1心拍を30時相とし前壁後壁,側壁中隔方向の長軸位断面を取得した.それぞれの長軸位断面の心基部の中点と心尖部の先端部を設定点とし,この2点を結んだ長さの時相変化を計測し,Simpson法を用いて算出した左心室容積曲線と比較した.
【結果・考察】
左心室長軸位の測定結果より,収縮末期の長さは拡張末期の長さの約75%に収縮した.また前壁後壁,側壁中隔いずれの方向でも,駆出期末期から急速流入期初期にて最小値を表す下に凸の曲線を示し,Simpson法を用いた左心室容積曲線においても左心室長軸と同様に,駆出期末期から急速流入期初期にて最小値を表す下に凸の曲線を示した.この結果より,左心室長軸位の設定長の変化と左心室容積の変化が類似した傾向を示すため,長軸位計測により容積を算出でき,心機能評価が可能である.これによりアーチファクトにより心筋が描出されない時相においても,心基部と心尖部の設定位置が計測できれば心機能評価をすることができる.当方法は左心室長軸位の新たな解析手法として有用性を持つことが確かめられた.
一般的に,医用画像を用いた左心室容積算出にはSimpson法による左心室容積曲線を用いた評価方法が用いられているが,MRIの画像はアーチファクトによる影響で心筋と内腔の境界が明確でない場合がある.そこで,左心室長軸位の心基部,心尖部を基準とした設定点間距離の計測を行い,左心室収縮能の算出を目的とする.
【方法】
撮像装置にはPhilips社製MRI(Achieva 3.0T X-siries)を用いた.また,画像解析にはImageJを用いた.撮像シーケンスおよびパラメータは次の通りである.Balanced TFE,TR:3ms,TE:2ms,FA:40°,slice数:1回の息止めで撮れる枚数,NEX:1,slice thickness:10mm,FOV:220×220,matrix size:128×128.撮像対象は首都大学東京大学院倫理委員会の承諾のもと,インフォームドコンセントにより研究に対して同意が得られた健常ボランティアとし,呼吸停止下心電図同期撮像を行い,1心拍を30時相とし前壁後壁,側壁中隔方向の長軸位断面を取得した.それぞれの長軸位断面の心基部の中点と心尖部の先端部を設定点とし,この2点を結んだ長さの時相変化を計測し,Simpson法を用いて算出した左心室容積曲線と比較した.
【結果・考察】
左心室長軸位の測定結果より,収縮末期の長さは拡張末期の長さの約75%に収縮した.また前壁後壁,側壁中隔いずれの方向でも,駆出期末期から急速流入期初期にて最小値を表す下に凸の曲線を示し,Simpson法を用いた左心室容積曲線においても左心室長軸と同様に,駆出期末期から急速流入期初期にて最小値を表す下に凸の曲線を示した.この結果より,左心室長軸位の設定長の変化と左心室容積の変化が類似した傾向を示すため,長軸位計測により容積を算出でき,心機能評価が可能である.これによりアーチファクトにより心筋が描出されない時相においても,心基部と心尖部の設定位置が計測できれば心機能評価をすることができる.当方法は左心室長軸位の新たな解析手法として有用性を持つことが確かめられた.