[P-1-028] Respiratory Self-navigated Whole-Heart Coronary MR Angiography法におけるランプアップパルス数の影響
【背景】近年MRI撮像の撮像プランニングの自動化の開発が進んでいる。Whole-Heart Coronary MR Angiographyの撮像においても、撮像プランニングの設定手順の簡素化が期待されている。Respiratory Self-navigated Whole-Heart Coronary MR Angiography法(以下Self-navigated法)は、呼吸同期ナビゲーターエコーの断面設定の必要がなく、かつ全呼吸周期の撮像データを位置補正して再構成することで、呼吸パターンに依存した撮像時間の延長がないという利点がある。【目的】Self-navigated法においてランプアップパルス数を、30発および10発に設定し、ナビゲーターエコーの信号強度スペクトルと、撮像画像における水および脂肪の信号強度への影響について比較をおこなう。【方法】使用装置はシーメンス社製MAGNETOM Avanto 1.5T。撮像シーケンスはECG同期併用segmented TrueFISP。脂肪抑制にはChessパルスを用い、T2強調プレパルスとしてT2prepパルスを併用した。呼吸動体補正にはSelf-navigated法による位置補正アルゴリズムを適応した。ランプアップパルスはLinearly Increasing Startup Angles(LISA)法の30発および10発を用い、ファントム撮像および健常ボランティア撮像によりランプアップパルス数の違いによる影響を比較検討した。【結果】ランプアップパルス数を30発から10発に変更することで、ChessパルスおよびT2prepパルスの効果が高まった。これによりSelf-navigated法におけるナビゲーターエコーの信号強度スペクトルの精度が改善された。また撮像画像において脂肪抑制効果およびT2強調効果が改善され、水と脂肪のコントラスト比が高まった。【結論】Self-navigated法においてランプアップパルス数を30発から10発に変更することで、ナビゲーターエコーの信号強度スペクトルの精度向上と、血管信号の描出能向上が期待される。【参考文献】Respiratory self-navigated postcontrast whole-heart coronary MR angiography: initial experience in patients., Piccini D, Stuber M. Radiology. 2014 Feb;270(2):378-86.