第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

骨・軟骨

骨・軟骨

Thu. Sep 18, 2014 2:36 PM - 3:30 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:佐志隆士(八重洲クリニック)

[P-1-049] 成長期骨端線の信号強度の評価-膝関節を対象として-

耕崎志乃1, 濱田充子2, 尾崎久美2, 北岡和雄3, 山川晴吾3, 山中陳靖4, 村山良彦5 (1.特定医療法人仁生会細木病院 放射線科, 2.特定医療法人仁生会細木病院 放射線室, 3.特定医療法人仁生会細木病院 整形外科, 4.山中外科整形外科 整形外科, 5.万々クリニック 整形外科)

【はじめに】10歳代は成長期にあたりMRIでダイナミックに骨端線の信号強度が変化する。成長期の骨端線はT1強調像において低信号を、T2*強調像において高信号を呈し、加齢に伴ってT2* 強調像は低信号化する。成長期のスポーツ人口の増加に伴い、スポーツ外傷のために成長期のMRIを読影する機会が増加した。成長期にある患者は生理的骨端線のT2* 強調像での高信号が見られることがあるため、外傷性変化か生理的変化か診断に苦慮する時がある。【目的】成長期の何歳くらいであれば生理的所見と判断してよいか確認したく、膝関節MRI所見を検討した。【対象】2011年9月から2014年3月までの間に膝痛を訴えて膝MRIを撮像した10歳から19歳まで134名。男:女=102:32. 左膝67、右膝67。受傷原因はスポーツ(野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、柔道、バドミントンなど)、交通事故だった。無症状の11歳女児、14歳女児、15歳男児、17歳女児の左右の膝を比較対照とした。【方法】T1強調像冠状断と矢状断、T2*強調像冠状断と矢状断を撮像した。骨挫傷の疑われた症例にはSTIRの冠状断もしくは矢状断を撮像した。視覚的にT2*強調像で骨端線が高信号として同定できたものを陽性、低信号として描出されたものを陰性とし、これら中間の所見を呈したものを擬陽性とした。STIRを撮像したものは上記と同様の評価をした。【結果】10-12歳まではほぼ全例T2* 強調像が陽性を呈したが、13-14歳で陽性、擬陽性や陰性が混在し、15歳では擬陽性と陰性の混在を呈し、16歳以降はほぼ全例が陰性となった。STIRは症例が少ないものの、16歳まではほぼ全例で陽性を呈し、18歳で擬陽性が見られた。正常対照は11歳女児のみT2*強調像陽性であり、14歳女児、15歳男児、17歳女児はT2*強調像陰性であった。STIR陽性であったのは11歳女児、15歳男児であり、14歳女児はSTIR陰性、18歳女児はSTIR擬陽性であった。【結語】T2* 強調像の高信号から低信号への移行期は14歳頃といえそうである。STIRでの低信号化はT2*強調像より少し遅れ、18歳頃が移行期のようであるが、今回の検討では症例が少ないため今後の症例の蓄積としたい。