[P-1-069] 高分解能Neurite Orientation Dispersion and Density Imagingを用いたパーキンソン病黒質変性の評価
【目的】黒質緻密層のドパミンニューロンの選択的な喪失はパーキンソン病(PD)における病理変化の中核であり、運動症状の原因と考えられている。黒質緻密層では神経細胞喪失に加え、樹状突起長の短縮、樹状突起棘の減少が知られ、αシヌクレイン沈着に関連したシナプス変性を反映した所見と言われる。近年、新たな拡散イメージング手法としてNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI) モデルが提唱され、脳内の軸索・樹状突起の密度や方向のばらつきを推定しようと言う試みがなされている。今回我々はパーキンソン病患者における黒質緻密部の微細構造変化を高分解能NODDIモデルにより検出可能か検討を行った。
【方法】対象は17人のPD患者とage/ sex matchした16人の正常対照者である。NODDI撮像は3T MRI (Philips Achieva system)で、Zoomed EPI シーケンスを使用した(b値=0, 1000, 2000s/mm、各32軸、Δ/δ = 45.3/13.3ms、中脳レベルを中心に0.98mm×0.98mmの面内分解能)。NODDI fittingにはNODDI Matlab Toolboxを使用し、orientation dispersion (OD), intra-neurite volume fraction/neurite density (Vic), CSF volume fraction (Viso) mapを作成した。b0image上で黒質緻密層に用手的にROIを作成し、ROI内のOD, Vic, Visoを測定した。unpaired t testで各パラメータごとに群間比較を行い、Bonferroni法で多重比較の補正を行った。またdisease duration、運動スコアの指標であるUPDRS-3と各パラメータとの相関解析を行い、ピアソンの積率相関係数を算出した。
【結果】健常群に比較してPD群では、症状優位側と対側の黒質緻密層のVic(p=0.00003), OD(p=0.006)が有意に低下していた。Visoに有意差は認められなかった。また黒質緻密層のVic, ODはdisease duration、UPDRS-3と有意な負相関(p<0.05)を示した。
【結論】高分解能NODDI解析により、PDの黒質における樹状突起の密度低下や方向のばらつき比率の低さを反映すると思われる結果が得られ、先行する病理研究と合致する。また、Vic, ODはdisease duration やUPDRS-3と有意相関を示しており、病勢評価に有用なツールとなり得る。
【方法】対象は17人のPD患者とage/ sex matchした16人の正常対照者である。NODDI撮像は3T MRI (Philips Achieva system)で、Zoomed EPI シーケンスを使用した(b値=0, 1000, 2000s/mm、各32軸、Δ/δ = 45.3/13.3ms、中脳レベルを中心に0.98mm×0.98mmの面内分解能)。NODDI fittingにはNODDI Matlab Toolboxを使用し、orientation dispersion (OD), intra-neurite volume fraction/neurite density (Vic), CSF volume fraction (Viso) mapを作成した。b0image上で黒質緻密層に用手的にROIを作成し、ROI内のOD, Vic, Visoを測定した。unpaired t testで各パラメータごとに群間比較を行い、Bonferroni法で多重比較の補正を行った。またdisease duration、運動スコアの指標であるUPDRS-3と各パラメータとの相関解析を行い、ピアソンの積率相関係数を算出した。
【結果】健常群に比較してPD群では、症状優位側と対側の黒質緻密層のVic(p=0.00003), OD(p=0.006)が有意に低下していた。Visoに有意差は認められなかった。また黒質緻密層のVic, ODはdisease duration、UPDRS-3と有意な負相関(p<0.05)を示した。
【結論】高分解能NODDI解析により、PDの黒質における樹状突起の密度低下や方向のばらつき比率の低さを反映すると思われる結果が得られ、先行する病理研究と合致する。また、Vic, ODはdisease duration やUPDRS-3と有意相関を示しており、病勢評価に有用なツールとなり得る。