第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

女性生殖器

女性生殖器

Fri. Sep 19, 2014 9:30 AM - 10:12 AM ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:高畑暁子(京都府立医科大学 放射線診断治療学)

[P-2-095] 閉経前後における子宮蠕動とjunctional zoneの見え方と両者の関連性について

木口佳代, 木戸晶, 舌野富貴, 高倉京子, 藤本晃司, 伏見育崇, 岡田知久, 富樫かおり (京都大学大学院医学研究科 画像診断学・核医学教室)

【背景と目的】
Junctional zone(JZ)は月経周期によって見え方のことなることや子宮の蠕動の発生源であることが報告されている。今回閉経前、後のJZの見え方と子宮蠕動との間に相関関係があるかどうかを検討した。
【方法】
対象は閉経前女性33名と閉経後女性38名。閉経前群は排卵期に撮像。撮像は東芝メディカルシステム社製3T装置を用い、女性骨盤撮影時の通常プロトコルに加え、3秒毎60回のFast advanced spin echo sequenceを撮像し、シネモードで再生し子宮の蠕動を評価した。JZについては矢状断T2強調像にて同定の有無を確信度(5段階)で評価し、同定可能な例についてはその厚さを計測した。蠕動に関しては蠕動回数(頻度)を評価した。
JZの厚さと蠕動の回数に関して閉経前と閉経後をt検定で比較。JZの確信度に関しては閉経前後をMann-Whitney検定で比較。また、JZの厚さと年齢との間のピアソンの相関係数、JZの厚さと蠕動の回数との間のピアソンの相関係数、JZの確信度と蠕動の回数との間のスピアマン相関係数を算出した。
【結果】
閉経前の33例全例でJZが同定できたが、閉経後では38例中19例でしか同定できず、JZの確信度に関して二群に有意差が認められた(p<0.0001). JZの厚さは閉経前と閉経後との間には有意差は認められなかった。(閉経前0.47±0.18cm、閉経後0.46±0.20cm)。閉経前では年齢の上昇に伴って有意に厚くなった(r=0.48, p=0.0044)一方で、閉経後は年齢と厚さとの間に有意な相関関係は認められなかった(r=-0.05, p=0.83)。子宮蠕動は閉経前(排卵期)では大部分例に観察されたのに対し、閉経後で蠕動が観察できた例はなかった。
閉経前と閉経後とに分けて評価した場合、JZの厚さと蠕動、確信度と蠕動の間にはいずれも相関関係は認められなかった(p=0.28, p=0.71)。
【結語】
閉経後にJZと子宮蠕動はいずれも有意に観察が困難となったが、JZと子宮蠕動との間に直接的な相関関係は認められなかった。