第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

女性生殖器

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Fri. Sep 19, 2014 9:30 AM - 10:12 AM ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:高畑暁子(京都府立医科大学 放射線診断治療学)

[P-2-094] 3テスラMRIを用いた子宮筋腫の三次元画像:術前シミュレーションモデル作成の試み

加藤博基1, Sayed Ahmad Zikri Bin Sayed Aluwee2, 周向栄2, 藤田広志2, 兼松雅之1, 星博昭3 (1.岐阜大学 放射線科, 2.岐阜大学大学院医学研究科 再生医科学専攻再生工学講座知能イメージ情報分野, 3.岐阜大学 放射線医学)

【目的】子宮筋腫の治療法にはホルモン療法,子宮動脈塞栓術,外科手術などがあるが,外科手術では開腹手術より侵襲の少ない腹腔鏡や子宮鏡を用いた手術が増加しており,選択の幅が広がっている。手術を行う場合,子宮筋腫の数,サイズ,局在を考慮して術式が選択されるが,手術計画の際にMRI画像の果たす役割は極めて大きい。我々は術前シミュレーションモデルとして使用するために,3テスラMRIを用いた子宮筋腫の三次元画像を作成した。【方法】三次元画像を作成するためのボリュームデータとして,3テスラMRIを用いて3D-T2強調TSE像(3D Volume ISotropic TSE Acquisition: VISTA)を撮像した(1,800/205msec [TR/TE], 512×512 matrix, slice thickness/gap:2/0mm)。撮像された画像から,子宮全体,子宮筋腫,子宮内膜の領域を用手的に輪郭抽出した。次にこれらのボリュームデータを用いて三次元画像を作成し,子宮筋層,子宮筋腫,子宮内膜を色付けして視覚的認識の補助となる作業を行った。【結果】3テスラMRIで得られた高精細のボリュームデータを用いることにより,精度の高い三次元画像を作成することができた。子宮筋層,子宮筋腫,子宮内膜を色付けすることにより,子宮筋腫の位置,子宮筋腫と子宮内膜や子宮表面の距離や位置関係を視覚的,直感的に評価できた。また三次元画像を用いれば様々な角度から見た画像を作成できるため,手術中の視野に近い画像を術者に提供することができる。【結論】精度の高い子宮筋腫の三次元画像を作成できたが,自動輪郭抽出の試み,3Dプリンターを用いた模型の作成,臨床的有用性の検討などの多くの課題が残った。今後はこれらの課題を克服し,実臨床で使用可能な術前シミュレーションモデルを作成する予定である。