第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

乳腺・他

乳腺・他

Fri. Sep 19, 2014 10:12 AM - 10:48 AM ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:片岡正子(京都大学医学部附属病院 放射部)

[P-2-101] 乳腺MRIにおける時間信号強度曲線の定量化

手塚真由美, 曽根佳史, 蔭山寛司, 吉田奈津子, 山田真由美 (千葉西総合病院 放射線科)

【背景】乳腺MRIにおいて造影dynamic studyでの時間信号強度曲線(time-signal intensity curve:TIC)の解析は推奨されておりTIC作成時の関心領域(region of interest:ROI)の設定はTICを作成するうえで重要である。しかし、TICはROIの設定方法が依存してしまうため撮影者に依存しないTIC作成方法を検討した。【使用機器及び方法】Philips社製 inginia 3T乳癌手術前に造影dynamic studyを施行し、病理診断において悪性と診断された20症例を対象症例とした。(1)各症例の早期相において造影された部位を囲んだものをROI100%とし大きさ50%25%12%と変化させROI内の変動係数を求めた。(以下:ROI100,ROI50,ROI25,ROI12)(2)各時相、同スライス、同ROIの信号強度を測定し、造影前の信号強度と造影後ピーク時の信号強度よりWash-In Rateの値を求め定量値を求めた。(3)Basic T1 Perfusionパッケージを用いて作成したTICと病理組織診断の比較を行った。【結果及び考察】(1)ROI内の変動係数は0.03~0.51の間に分布した。症例のほとんどでROIが大きくなると変動係数も大きくなった。ROI内の変動係数の値は0.13が最も多くなり各ROIの変動係数0.13以下の値はROI12では80%、ROI25で70%、ROI50で45%、ROI100で0%となった。考察としてROIが小さいほうが変動係数の値は小さくなりより病変をとらえやすくなったのだと考えられる。また、ROIが大きくなると変動係数がおおきくなった原因としてROIを決定する上で周囲の乳腺をも含んでしまったためではないかと考えられる。(2) Wash-In Rateの値は10~36の間に分布した。上限値を10と仮定してTICを作成した際、病変全体がROI範囲になってしまった。また、上限値を30と仮定してTICを作成した際、Wash-In Rateの値が低いものに対してはROIの設定を行うことが出来なかった。そのため、Wash-In Rateの上限を20と決定した。(3) Wash-In Rateの値を17~20の部位を囲んで作成したTICと病理組織診断は相関がみられた。【結語】Wash-In Rateの値を20と設け、ROIを17~20と設定することによって撮影者の主観に依存しないTICの作成が可能となった。