[P-2-148] High resolution DKI(ZOOM EPI)を用いた深部基底核の正常加齢変化の検討
【背景】Diffusional Kurtosis Imaging(DKI)はガウス分布を仮定しない拡散解析手法であり、近年DTIから拡張され提案されている。DKIは生体脳における微細構造変化をDTIより感度良く捉えると言われ、大脳白質だけでなく深部基底核の評価にも有用と考えられている。今回我々は健常成人にZOOM EPI法を併用したhigh resolution DKIを撮像し,深部基底核の構造変化と正常加齢との関連を検討した。
【方法】対象は35名の健常成人(25~82歳)とし、3T MRI(Achieva Philips)を用いてDKI撮像を行った。DKIデータはspin echo EPI シークエンスを用いてMPG32軸、b値=0, 1000, 1500, 2000 [s/mm2]で撮像され、撮像パラメータはTR=4000 ms, TE=80 ms, diffusion gradient pulse duration (δ)=21.4 ms, diffusion gradient separation (Δ)=39.6 ms, FOV=110×110mm, matrix=112×112, thickness=5 mm, number of slices=20, imaging time =9:00とした。得られたデータから dTV II FZRx (東京大学放射線科開発) で拡散パラメータマップを作成、尾状核頭部・被殻・淡蒼球に用手的にROIを設定し、ADC, FA, MKを測定した。その後、各拡散パラメータと年齢について、性別を制御因子として偏相関分析を行った。多重比較の補正はボンフェローニ法で行った。
【結果】ADCの値は各部位とも加齢に伴って上昇する傾向がみられたが有意な相関は認められなかった。FAは加齢に伴い減少する傾向であり、被殻においては有意な負の相関がみられた(p=0.012)。MKは加齢に伴い上昇する傾向であり、淡蒼球(p=0.016)、被殻(p=0.001)において有意な正の相関がみられた。
【結論】 DKIは深部基底核の微細な加齢変化を鋭敏に検出することができ、DTIのパラメータに補足する新たな次元の情報を得られることが示された。
【方法】対象は35名の健常成人(25~82歳)とし、3T MRI(Achieva Philips)を用いてDKI撮像を行った。DKIデータはspin echo EPI シークエンスを用いてMPG32軸、b値=0, 1000, 1500, 2000 [s/mm2]で撮像され、撮像パラメータはTR=4000 ms, TE=80 ms, diffusion gradient pulse duration (δ)=21.4 ms, diffusion gradient separation (Δ)=39.6 ms, FOV=110×110mm, matrix=112×112, thickness=5 mm, number of slices=20, imaging time =9:00とした。得られたデータから dTV II FZRx (東京大学放射線科開発) で拡散パラメータマップを作成、尾状核頭部・被殻・淡蒼球に用手的にROIを設定し、ADC, FA, MKを測定した。その後、各拡散パラメータと年齢について、性別を制御因子として偏相関分析を行った。多重比較の補正はボンフェローニ法で行った。
【結果】ADCの値は各部位とも加齢に伴って上昇する傾向がみられたが有意な相関は認められなかった。FAは加齢に伴い減少する傾向であり、被殻においては有意な負の相関がみられた(p=0.012)。MKは加齢に伴い上昇する傾向であり、淡蒼球(p=0.016)、被殻(p=0.001)において有意な正の相関がみられた。
【結論】 DKIは深部基底核の微細な加齢変化を鋭敏に検出することができ、DTIのパラメータに補足する新たな次元の情報を得られることが示された。