[P-2-185] MP2RAGEを用いた乳頭視床路の描出
【目的】視床内の白質線維である乳頭視床路は、乳頭体と視床前核を結ぶPapez回路の一部であり、障害されると前向性の記憶障害を来す場合があることが知られている。この構造は通常のMRIでは同定は困難だが、今回、1回の撮像において2種類のTIのMPRAGEの画像を得ることが出来るMP2RAGEを用いて、白質の信号抑制があり、なしの2つのMPRAGEの画像と、それらから算出されるT1mapと静磁場や感度分布の不均一性の影響を軽減したT1強調画像の4シリーズにて乳頭視床路の描出の程度を調べる。
【方法】 3名の被験者の乳頭体から視床の上縁を含む横断像を、白質の信号を抑制したMPRAGEの画像を含むMP2RAGEで撮像した(TR=5000ms; TE=3.3ms; slice thickness=0.7mm; FOV=187×200 mm; matrix size=240×256; TI=409/1100; FA=4/5; TA=11:05min)。乳頭視床路は乳頭体から上方へ走行し、視床前核へと連続する左右1対の構造である。横断像にてスライス毎に乳頭視床路を追い、同構造を1本の独立した構造として捉えた場合を「A=明らかに見える」、周囲の構造との境界が不明瞭であるが同定は出来るものを「B=ある程度見える」、同定できない場合を「C=全く見えない」の3段階で、2名の放射線科医が評価し、意見が分かれた場合は議論し、最終的に合意を得た。そして、それぞれのシリーズについてA, B, Cの合計を得た。
【撮像装置】3-Tesla MRI, Skyra (Siemens, Germany, 32-channel head coil)
【結果】シリーズ毎のA, B, Cの合計は、白質抑制ありのMPRAGEでA=5/6、B=1/6、C=0、白質抑制なしのMPRAGEでA=0、B=4/6、C=2/6、T1mapでA=3/6、B=3/6、C=0、T1強調画像でA=3/6、B=3/6、C=0であった。
【結論】白質抑制がある場合には、ない場合と比較し乳頭視床路の描出は明瞭であった。また、白質抑制がある場合には劣るが、算出されたT1mapやT1強調画像においても白質抑制がない場合より描出は良好であった。
【方法】 3名の被験者の乳頭体から視床の上縁を含む横断像を、白質の信号を抑制したMPRAGEの画像を含むMP2RAGEで撮像した(TR=5000ms; TE=3.3ms; slice thickness=0.7mm; FOV=187×200 mm; matrix size=240×256; TI=409/1100; FA=4/5; TA=11:05min)。乳頭視床路は乳頭体から上方へ走行し、視床前核へと連続する左右1対の構造である。横断像にてスライス毎に乳頭視床路を追い、同構造を1本の独立した構造として捉えた場合を「A=明らかに見える」、周囲の構造との境界が不明瞭であるが同定は出来るものを「B=ある程度見える」、同定できない場合を「C=全く見えない」の3段階で、2名の放射線科医が評価し、意見が分かれた場合は議論し、最終的に合意を得た。そして、それぞれのシリーズについてA, B, Cの合計を得た。
【撮像装置】3-Tesla MRI, Skyra (Siemens, Germany, 32-channel head coil)
【結果】シリーズ毎のA, B, Cの合計は、白質抑制ありのMPRAGEでA=5/6、B=1/6、C=0、白質抑制なしのMPRAGEでA=0、B=4/6、C=2/6、T1mapでA=3/6、B=3/6、C=0、T1強調画像でA=3/6、B=3/6、C=0であった。
【結論】白質抑制がある場合には、ない場合と比較し乳頭視床路の描出は明瞭であった。また、白質抑制がある場合には劣るが、算出されたT1mapやT1強調画像においても白質抑制がない場合より描出は良好であった。