[P-3-197] Gd-EOB-DTPA造影MRIでのT1マッピングの肝線維化評価における有用性についての検討
【背景と目的】EOB造影MRIは、肝細胞相での肝実質の造影効果が肝線維化程度や肝機能と相関があり、非侵襲的に線維化程度や肝機能の評価が可能な検査であると報告されているが、これまではT1強調画像での造影前後の相対的信号変化を利用した検討がほとんどであった。今回我々は、3T MRIを使用したLock-Lockerシーケンスにより算出されたT1mappingを用いてT1値を測定し、肝実質の造影効果の定量的評価を行い、従来から血液検査などをもとに肝線維化程度を簡単に概算できる線維化パラメーターとして使用されてきたPLT値、 AAR (AST to ALT ratio)、APRI (AST-PLT Ratio index)、FIB-4 indexと肝実質のT1値の相関の有無を評価し、T1値測定の肝線維化評価における有用性の有無を検討した。
【方法】対象は当院で3.0T MRIを用いて単純T1WIとEOB造影MRI肝細胞相を撮像された47人。Lock-LockerシーケンスによるT1mappingを算出し、造影剤投与前、投与から10分、20分後のT1値の測定とT1 reduction rateの算出を行った。対象患者のMRI撮像直近の血液データから算出された4つの線維化パラメーター(AAR, APRI, FIB-4 index, PLT値)と、各時相での肝実質のT1値, reduction rateとの相関の有無を検討した。
【結果】造影剤投与前の肝実質のT1値と有意な相関を認めたのは、FIB-4 indexのみであった。10分後と20分後の肝実質のT1値はPLT, APRI, FIB-4 indexと、reduction rateは10分後, 20分後ともにAPRI, FIB-4 indexとそれぞれ有意に相関していた。FIB-4 indexとAPRIが10分後, 20分後の肝実質のT1値, reduction rateのいずれとも有意に相関していたが、APRIと比較してFIB-4 indexとの相関係数が各々大きく、より強く相関していた。また、肝実質のT1値, reduction rateとAPRI, FIB-4 indexの相関係数は10分後と比較して、20分後で大きく、より強く相関していた。
【結論】EOB造影MRIでの肝実質のT1値やreduction rateは、PLT, APRI, FIB-4 indexと有意に相関しており、肝線維化程度の指標となる可能性がある。
【方法】対象は当院で3.0T MRIを用いて単純T1WIとEOB造影MRI肝細胞相を撮像された47人。Lock-LockerシーケンスによるT1mappingを算出し、造影剤投与前、投与から10分、20分後のT1値の測定とT1 reduction rateの算出を行った。対象患者のMRI撮像直近の血液データから算出された4つの線維化パラメーター(AAR, APRI, FIB-4 index, PLT値)と、各時相での肝実質のT1値, reduction rateとの相関の有無を検討した。
【結果】造影剤投与前の肝実質のT1値と有意な相関を認めたのは、FIB-4 indexのみであった。10分後と20分後の肝実質のT1値はPLT, APRI, FIB-4 indexと、reduction rateは10分後, 20分後ともにAPRI, FIB-4 indexとそれぞれ有意に相関していた。FIB-4 indexとAPRIが10分後, 20分後の肝実質のT1値, reduction rateのいずれとも有意に相関していたが、APRIと比較してFIB-4 indexとの相関係数が各々大きく、より強く相関していた。また、肝実質のT1値, reduction rateとAPRI, FIB-4 indexの相関係数は10分後と比較して、20分後で大きく、より強く相関していた。
【結論】EOB造影MRIでの肝実質のT1値やreduction rateは、PLT, APRI, FIB-4 indexと有意に相関しており、肝線維化程度の指標となる可能性がある。