[P-3-198] 非バランス型spin-echo SSFP(T2FFE)を用いたGd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相における低信号結節鑑別の試み
【目的】Gd-EOB-DTPA造影MRIは肝腫瘍の診断に非常に優れた方法ではあるが、肝細胞相において良性腫瘍を含めた多くの腫瘤性病変が低信号を呈する。特に血管腫と転移との鑑別において問題となることがある。そこで今回、我々は新たなアプローチとして、非バランス型SSFP(spin-echo型SSFP: T2FFE)シーケンスを用いた肝細胞相における低信号結節の鑑別を試みた。
【方法】使用装置はPhilips社製Achieva 1.5T。肝腫瘍疑いでGd-EOB-DTPA造影検査を施行された42名を対象に検討を行った。T2FFEシーケンスはSSFP法の一種であり、基本的にはT2強調コントラストを提供するが、同時に造影剤によるT1短縮効果への高い感度を有し、その感度はフリップ角に依存する。このため、まず初期検討としてフリップ角の最適化を行い、次いでフリップ角を最適化した条件を用いて肝細胞相における肝腫瘍の描出(コントラスト)について従来のT1強調像と比較した。なお、本検討は倫理委員会の承認を得ている。
【結果・考察】従来のT1強調像では全ての腫瘍が肝実質より低信号(negative contrast)を呈したが、フリップ角を50°としたT2FFEでは、良性腫瘍(嚢胞/血管腫)を肝実質より高信号(positive contrast)に、多くの悪性腫瘍(転移/HCC)を低信号に描出(negative contrast)することが可能であった。特に、転移症例では全ての腫瘍が低信号を呈したため、血管腫(高信号)との鑑別に有用な情報を付加する可能性が示唆された。
【方法】使用装置はPhilips社製Achieva 1.5T。肝腫瘍疑いでGd-EOB-DTPA造影検査を施行された42名を対象に検討を行った。T2FFEシーケンスはSSFP法の一種であり、基本的にはT2強調コントラストを提供するが、同時に造影剤によるT1短縮効果への高い感度を有し、その感度はフリップ角に依存する。このため、まず初期検討としてフリップ角の最適化を行い、次いでフリップ角を最適化した条件を用いて肝細胞相における肝腫瘍の描出(コントラスト)について従来のT1強調像と比較した。なお、本検討は倫理委員会の承認を得ている。
【結果・考察】従来のT1強調像では全ての腫瘍が肝実質より低信号(negative contrast)を呈したが、フリップ角を50°としたT2FFEでは、良性腫瘍(嚢胞/血管腫)を肝実質より高信号(positive contrast)に、多くの悪性腫瘍(転移/HCC)を低信号に描出(negative contrast)することが可能であった。特に、転移症例では全ての腫瘍が低信号を呈したため、血管腫(高信号)との鑑別に有用な情報を付加する可能性が示唆された。