第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

胆・膵臓-機能評価

胆・膵臓-機能評価

Sat. Sep 20, 2014 10:12 AM - 10:54 AM ポスター会場 (3F 栄華の間)

座長:西江昭弘(九州大学大学院医学研究院 臨床放射線科学教室)

[P-3-206] 3T-MRIにおける局所励起撮像技術「syngo ZOOMit」を用いた3D- MRCP

西村文雄, 中村公行, 新井健史, 中島貴子, 黒川琴代, 荒川裕貴, 橋本佳祐, 森岡美英 (がん・感染症センター都立駒込病院 放射線診療科)

【背景】当施設に導入された3T-MRIは、2ch RF送信技術を独立制御することで、RF分布の均一性が向上すると報告されている。しかし、従来の1.5T装置に比較すると弱い一面が見られ、特に我々は、3D-TSE法を利用したMRCPでの画像不均一を経験した。
【目的】3D- MRCPでの画像均一性について、局所励起撮像技術「syngo ZOOMit」およびRFデザインによるB1シミング法について画質検討を行ったので報告する。
【使用機器】シーメンス社製3T-MRI装置 Skyra
【対象】1. 電気伝導率の異なるファントム(シリコンオイル、蒸留水、硫酸銅) 2. ボランティア(5名) およびMRCPを施行した連続8症例
【評価方法】1. ファントムでの横断像におけるスライスプロファイルによる信号変化 2. 3D- MRCP(冠状断)での臓器別信号強度比
【検討項目】1. B1シミング法なし 2. B1シミング法なし+ ZOOMit 3. B1シミング法あり
【結果】1. 伝導率の低いファントム以外で、B1シミング法なしでは中心部分に信号低下を認めた。B1シミング法なし+ ZOOMitおよびB1シミング法ありでは中心部分の低下が改善された。また、全てにおいて4時と10時方向の両端に信号低下が認められた。2. ボランティアでは頭尾、尾頭方向による4時と10時方向の信号強度に変化は認められなかった。臨床ではB1シミング法なしでは全例においてファントム同様の信号変化を認めたが、B1シミング法なし+ ZOOMitでは、両端信号低下が全例で改善を認めた。
【考察】B1シミング法なし+ ZOOMitにおいて信号低下が改善されたのは、再収束パルス印加と同時に位相方向へslab励起を行い、各々独立したRF波形、傾斜磁場波形を利用したため、B1シミング法に近い効果が得られたと考えた。今回、両端の信号低下はRF送信角度による不均一の助長より、人体内部の誘電率の相違によるRF浸透度の要因及びMRCPシーケンスが水強調画像のため、コントラストが強調されやすいことも要因と考えた。
【結語】3D- MRCPにおいて局所励起撮像技術「syngo ZOOMit」およびRFデザインによるB1シミング法を使用することで、画像の均一性が向上した。