[P-3-224] 体内埋め込み型医療機器のMR安全性-勾配磁場による発熱のシミュレーション-
【目的】MRIの撮像に利用される磁場のうち、一般に安全なものとして扱われている勾配磁場について詳細な解析を行うことで、現在の体内埋め込み型医療機器との相互作用を含めた安全性の確認を行い、また今後の機器の発展に向けた明確な安全基準を模索するための基礎研究である。
【方法】人の上半身を模したASTM規格のファントムモデルと体内埋め込み型医療機器としてペースメーカのモデルを作成し、一軸の単一コイルにより現行機で用いられる40,80mT/mの強度の変動磁場を各周波数の正弦波に近似し準静FDTD法により電磁解析を行った。これにより比吸収率(SAR)を求め、さらに定常熱伝導解析からその最大温度上昇値を算出した。この時、リード部より温度上昇の大きいチタン部へ最大の変動磁場が位置するように配置し、各条件下での最大温度上昇へ近づけた。解析には,電磁界解析ソフトウェア(SEMCAD X,Schmid & Partner Engineering AG)を用いた。
【結果】定常状態における0℃からの温度上昇の最大値はTable 1の通りとなった。
【結論】高速撮像における勾配磁場の変動は、EPI法を始めとした主なシークエンスについて正弦波に近似した場合、周波数500Hz以下であり、時間の制約がない条件下でも危険な発熱は勾配磁場で起きえないことが確認された。今後、RF磁場との比較、検証を行っていく。
【謝辞】本成果は科学研究費補助金基盤研究(C) 25350583による.
【方法】人の上半身を模したASTM規格のファントムモデルと体内埋め込み型医療機器としてペースメーカのモデルを作成し、一軸の単一コイルにより現行機で用いられる40,80mT/mの強度の変動磁場を各周波数の正弦波に近似し準静FDTD法により電磁解析を行った。これにより比吸収率(SAR)を求め、さらに定常熱伝導解析からその最大温度上昇値を算出した。この時、リード部より温度上昇の大きいチタン部へ最大の変動磁場が位置するように配置し、各条件下での最大温度上昇へ近づけた。解析には,電磁界解析ソフトウェア(SEMCAD X,Schmid & Partner Engineering AG)を用いた。
【結果】定常状態における0℃からの温度上昇の最大値はTable 1の通りとなった。
【結論】高速撮像における勾配磁場の変動は、EPI法を始めとした主なシークエンスについて正弦波に近似した場合、周波数500Hz以下であり、時間の制約がない条件下でも危険な発熱は勾配磁場で起きえないことが確認された。今後、RF磁場との比較、検証を行っていく。
【謝辞】本成果は科学研究費補助金基盤研究(C) 25350583による.