[S5-4] 日立MRI装置における頭頸部領域への取組み
頭頸部領域はMRIで最も検査数の多い領域であり、形態画像の高分解能化・画質向上に加えて、機能・代謝情報の画像化技術の開発が精力的になされている。日立メディコでは、頭頸部領域を対象としたアプリケーション、特に頸動脈プラークの質的診断とWillis輪などでの複雑な血行動態を観察可能な選択的TOF MRA(BeamSat TOF)の開発に取り組んできた。
BeamSat TOFは、3D TOFのプリパルスとしてpencil beam型の励起プロファイルを持つ抑制パルス(Beam Satパルス)を使用する。下図は、右内頸動脈を選択的に抑制した場合の3D TOF画像である。BeamSatパルスを用いた画像(b)において、抑制側の中大脳動脈(MCA)だけでなく、後大脳動脈(PCA)も抑制されており、Willis輪(下図の場合はPcomA)を介したクロスフローがあると推測できる。このようにBeamSatパルスが、数秒間効果が持続するネガティブ造影剤として振る舞い、TOF画像においてもクロスフローなど血行動態の観察が可能である。
本報告では、開発段階におけるパルス系列の決定、BeamSatパルスの位置に関する検討、装置歪みと抑制能の安定性の評価などについて紹介し、更に他部位への適用も踏まえた今後の展望についても言及する。
BeamSat TOFは、3D TOFのプリパルスとしてpencil beam型の励起プロファイルを持つ抑制パルス(Beam Satパルス)を使用する。下図は、右内頸動脈を選択的に抑制した場合の3D TOF画像である。BeamSatパルスを用いた画像(b)において、抑制側の中大脳動脈(MCA)だけでなく、後大脳動脈(PCA)も抑制されており、Willis輪(下図の場合はPcomA)を介したクロスフローがあると推測できる。このようにBeamSatパルスが、数秒間効果が持続するネガティブ造影剤として振る舞い、TOF画像においてもクロスフローなど血行動態の観察が可能である。
本報告では、開発段階におけるパルス系列の決定、BeamSatパルスの位置に関する検討、装置歪みと抑制能の安定性の評価などについて紹介し、更に他部位への適用も踏まえた今後の展望についても言及する。