[S5-3] 小動物用MRIにおける高感度化とマルチモダリティへの対応
MRIはハードウェア・ソフトウェア両面の性能向上に伴い、格段に画質が向上してきた。しかしながら最大の欠点はやはりその感度の低さであり、低感度を補うために分解能や測定時間での妥協が避けられない。MRIの感度向上において大きなウェイトを占めるのが静磁場強度である。弊社では長年高磁場超伝導磁石の開発を続けており、このたび21Tという超高磁場MRIをリリースした。これとコイルをヘリウムガスで約30Kまで冷却し熱雑音を低減させるクライオプローブとを組み合わせることで、マウスin vivoにおいて面内分解能30um以下の超高解像度MRI画像を取得することに成功した。クライオプローブ自体の改良も進んでおり、強い要望のあったラット用クライオプローブも完成した。このようにMRIの高感度化は進んでいるものの、MRI単独で取得できる情報にはもちろん限りがある。このため近年PETや光イメージング等他のモダリティとの組み合わせに対する要求が増してきている。弊社では各モダリティ機器(MRI, PET, SPECT, CT, 光イメージング)で使える共通アニマルベッドを開発した。このベッドは動物を麻酔にかけたまま各機器へ迅速に設置することができるよう工夫がなされている。また新たな画像モダリティ機器として小動物用Magnetic Particle Imaging(MPI)の開発も行っており、MPIの撮像原理や応用例を紹介する。