Riabilitazione Neurocognitiva 2023

Presentation information

一般演題

ポスター発表

[P1] 基礎系

[P1-01] 前足部への知覚課題が起立動作に与える影響 〜ABA法を用いた検討〜

*林 節也1、菅沼 惇一2、田口 周司3、岩崎 拓也4、千鳥 司浩2 (1. サンビレッジ国際医療福祉専門学校 作業療法学科、2. 中部学院大学 看護リハビリテーション学部 理学療法学科、3. 介護老人保健施設 山県グリーンポート、4. 大垣徳洲会病院)

【はじめに】
 林ら(2022)は認知機能が低下した者に対し,7日間前足部でスポンジ硬度の左右同時比較課題を実施し,課題正答数が多いほどFRTの距離が延長すると報告した.そこで,今回脳梗塞を発症した症例に対して,前足部に対する左右同時比較課題を実施した期間と実施しない期間を設定し,その際の動作評価を実施し変化が認められたため報告する.

【対象】
 介護老人保健施設に入所している80歳代女性.1年前に右脳梗塞を発症し,要介護度4.身体機能では左BRSは上肢Ⅳ・手指Ⅴ・下肢Ⅳ,軽度感覚障害があり,高次脳機能障害は注意障害が認められたがMMSEは29点であった.起立動作では体幹前屈角度が少なく後方重心であった.

【方法と介入】
 今回の介入デザインはABA法を用いて実施した.介入前に動作評価としてFRT,TUGを2回,起立時の体幹最大屈曲角度を計測.その後,前期課題として5日間左右同時比較課題(介入課題)を実施した.介入課題は,座位にて前足部でスポンジ硬度の同時比較課題とした.課題難易度は,難易度低(硬度1と硬度5),中(2と4),高(3と4)とし,難易度低から順に各5回計15回実施しその正答数を計測した.その後,動作評価を実施し,5日間介入なし期間を設けた.さらにその後,動作評価を実施し,後期課題として前期課題と同様の条件で実施した.全課題終了後に再度動作評価を実施した.

【結果】
 FRT(cm)は平均14.1-17.7-15.7-22.4,TUG(秒)は53.6-49.6-56.2-46.6,体幹最大前屈角度(度)は13-30-7-35であった.また,課題正答数は難易度低,中は全課題で全問正答し,難易度高では前期課題で3問,後期課題で4問であった.

【考察】
 今回,ABA法を用いたことで,前足部に対する介入課題が起立動作に与える影響が明らかになった.FRT,TUGともにMDC(FRT:3.7cm,TUG:2.9秒)と比較し大幅に改善したことから,介入課題の効果が明らかと言える.課題における注意を前足部に限局したことで触圧覚情報が顕在化しバランス能力や起立動作が向上したと考える.今回,介入なしの期間時に動作評価が低下したことから,効果の持続性が低かったと言え,学習の定着の観点から今後は課題を設定する必要があると考える.

【倫理的配慮】
 本発表は対象者より書面にて同意を得ている.