[P3-04] 腰椎固定術後のパーキンソン病にて起立困難になった患者がフリーハンド歩行を獲得した例
− 体幹・足底の情報構築・統合 −
【はじめに】
腰椎多発骨折固定術術後, パーキンソン病(PD)増悪により寝たきりになり起立・歩行が困難になった症例に対し, ①足底の圧情報構築, ②対称性両手課題, ③体幹の対称性の情報構築課題を組み合わせた介入によってフリーハンド歩行が可能になったため報告する.
【症例】
70代男性, X-2年6月に自宅にて転倒し腰椎多発骨折, 固定術施行. 徐々に歩行障害増悪し歩行困難となり, X-1年12月, B病院にてPDの診断. X年2月より当院に転院.
【病態解釈】
H-Y分類:Ⅳ, UPDRS part Ⅱ:22,partⅢ:30、食事以外のADL全般にほぼ全介助. 体幹の可動性が乏しく, 脊柱屈曲・右側屈位を正中と認識している. 立位保持では支持物使用して殿部後退・下腿後傾位となり, 立位の自力保持は困難で軽介助を要した. 「足が滑ってうまく立てない」と記述あり.
【治療アプローチ】
立位での下腿の後傾が見られたこと, 本人より足底への記述があったことから, 下腿を垂直にするための傾斜板, 足底のスポンジの前後比較を通じた足底圧の情報構築訓練を実施. 体幹対称性の情報構築を目的としたスポンジは圧, 位置共に正答が困難だったが, 対称性両手課題(4つのスポンジの塊を両手で挟み, 圧情報により一つの塊かを問う課題), 手掌へのスポンジ圧の左右比較課題(座位, 左右膝の上に置いたスポンジの圧比較)を通じて情報構築が可能になり, 体幹へのスポンジ課題も正答できるようになった. また体幹の左右位置と足底圧の変化への気づきが見られた.
【経過】
介入11日でフリーハンドでの立位保持獲得. 介入46日でT字杖歩行10m近位監視にて獲得, 介入85日目で10m歩行18.0sec, 99日目で11.4secへ改善. フリーハンド歩行は76日目より可能. FBSは入院当初立位困難(3/56相当), 102日目で35/56, 116日目で45/56へ改善. UPDRS partⅡ:12, partⅢ:13へ改善。
【考察】
腰椎固定術術後の既往とPD症状により体幹部位単体への注意では情報構築が困難であったが, 四肢での情報構築によって体幹の対称性を認識することが可能になったと思われる. 同時に足底圧と体幹アライメントの関係性も学習ができたことで, 立位・歩行バランスが向上し, フリーハンド歩行が可能になったと考えられる.
【倫理的配慮】
発表に対し書面で説明し同意を得た.
腰椎多発骨折固定術術後, パーキンソン病(PD)増悪により寝たきりになり起立・歩行が困難になった症例に対し, ①足底の圧情報構築, ②対称性両手課題, ③体幹の対称性の情報構築課題を組み合わせた介入によってフリーハンド歩行が可能になったため報告する.
【症例】
70代男性, X-2年6月に自宅にて転倒し腰椎多発骨折, 固定術施行. 徐々に歩行障害増悪し歩行困難となり, X-1年12月, B病院にてPDの診断. X年2月より当院に転院.
【病態解釈】
H-Y分類:Ⅳ, UPDRS part Ⅱ:22,partⅢ:30、食事以外のADL全般にほぼ全介助. 体幹の可動性が乏しく, 脊柱屈曲・右側屈位を正中と認識している. 立位保持では支持物使用して殿部後退・下腿後傾位となり, 立位の自力保持は困難で軽介助を要した. 「足が滑ってうまく立てない」と記述あり.
【治療アプローチ】
立位での下腿の後傾が見られたこと, 本人より足底への記述があったことから, 下腿を垂直にするための傾斜板, 足底のスポンジの前後比較を通じた足底圧の情報構築訓練を実施. 体幹対称性の情報構築を目的としたスポンジは圧, 位置共に正答が困難だったが, 対称性両手課題(4つのスポンジの塊を両手で挟み, 圧情報により一つの塊かを問う課題), 手掌へのスポンジ圧の左右比較課題(座位, 左右膝の上に置いたスポンジの圧比較)を通じて情報構築が可能になり, 体幹へのスポンジ課題も正答できるようになった. また体幹の左右位置と足底圧の変化への気づきが見られた.
【経過】
介入11日でフリーハンドでの立位保持獲得. 介入46日でT字杖歩行10m近位監視にて獲得, 介入85日目で10m歩行18.0sec, 99日目で11.4secへ改善. フリーハンド歩行は76日目より可能. FBSは入院当初立位困難(3/56相当), 102日目で35/56, 116日目で45/56へ改善. UPDRS partⅡ:12, partⅢ:13へ改善。
【考察】
腰椎固定術術後の既往とPD症状により体幹部位単体への注意では情報構築が困難であったが, 四肢での情報構築によって体幹の対称性を認識することが可能になったと思われる. 同時に足底圧と体幹アライメントの関係性も学習ができたことで, 立位・歩行バランスが向上し, フリーハンド歩行が可能になったと考えられる.
【倫理的配慮】
発表に対し書面で説明し同意を得た.