11:50 〜 12:40
[SS-01] 人間の運動学習をメタラーニングという視点から探求する
このシンポジウムでは,以下2つのポイントについて議論したい.
1)錐体路機能は運動指令か?期待値(予測)信号か?
吉田先生の特別講演Ⅰをうけて,いわゆる運動の下行制御(皮質脊髄路を中心として)は,下位運動ニューロンに抑制的である,ということの解釈.つまり予測とは何か,運動制御とは何かの再解釈について.運動制御=筋収縮制御(力の入れ方を変える)ではなく,運動制御=予測制御(こうありたい,こうであろうという予測に合致するように感覚入力を変えるための振る舞い方を変える)のような捉え方,「運動は知ることである」の神経学解釈を考えていくため,この点を皮質脊髄路(を中心とした下行制御系)は抑制信号(予測・期待値)を下位「運動」ニューロンに送っている,とはどういうことかについて議論したい.
2)ベイトソンの学習ⅡあるいはⅢについて
本学会の裏テーマは「ベイトソンの学習Ⅱあるいはそれ以降」について考えることだと想定している.Ⅱは一次学習したことのコンテクストについての学習,つまりメタレベルの学習.一次学習のコンテクスト自体を「対象」とすることで,一次学習の効率やレベルを上げられまた余力が増すことで新規な一次学習も可能となり,同時に二次学習としての統御能力が上がるようなイメージとなる.ただし,ベイトソンは二次学習は潜在的無意識に生じるとしていて,例えば自己,私,性格のようなものも習慣による二次学習の結果(人間の相互作用の枠付けられ方)としていることから,臨床的に必要なのは学習Ⅲといえるのではないかということについて議論したい.学習Ⅲはこの「枠」を外して再構成する,あるいはヴィゴツキーやエンゲストロームの拡張的学習にもみられるように,意識的な自己変革として身体/環境の関わり方の再解釈を試みていくような学習の構造をとる.すなわち学習Ⅲは学習Ⅱの再構築,すなわち学習(Ⅰ)の学習の仕方(Ⅱ)の再学習(Ⅲ)である.これをリハビリテーションで考えていきたい.また学習Ⅲは継続的な再構築を意味するので,どちらかといえば脱構築Deconstructionと捉えた方がよいと考えられる.矛盾(ダブルバインド)に対する気付きが学習Ⅲになり得るか?既得していた過去の行為の想起は?これらの点について議論していきたい.
上記内容について,「第24回 認知の時間 - 第23回学術集会 特別企画シンポジウム」にて準備的討議を行っている.
1)錐体路機能は運動指令か?期待値(予測)信号か?
吉田先生の特別講演Ⅰをうけて,いわゆる運動の下行制御(皮質脊髄路を中心として)は,下位運動ニューロンに抑制的である,ということの解釈.つまり予測とは何か,運動制御とは何かの再解釈について.運動制御=筋収縮制御(力の入れ方を変える)ではなく,運動制御=予測制御(こうありたい,こうであろうという予測に合致するように感覚入力を変えるための振る舞い方を変える)のような捉え方,「運動は知ることである」の神経学解釈を考えていくため,この点を皮質脊髄路(を中心とした下行制御系)は抑制信号(予測・期待値)を下位「運動」ニューロンに送っている,とはどういうことかについて議論したい.
2)ベイトソンの学習ⅡあるいはⅢについて
本学会の裏テーマは「ベイトソンの学習Ⅱあるいはそれ以降」について考えることだと想定している.Ⅱは一次学習したことのコンテクストについての学習,つまりメタレベルの学習.一次学習のコンテクスト自体を「対象」とすることで,一次学習の効率やレベルを上げられまた余力が増すことで新規な一次学習も可能となり,同時に二次学習としての統御能力が上がるようなイメージとなる.ただし,ベイトソンは二次学習は潜在的無意識に生じるとしていて,例えば自己,私,性格のようなものも習慣による二次学習の結果(人間の相互作用の枠付けられ方)としていることから,臨床的に必要なのは学習Ⅲといえるのではないかということについて議論したい.学習Ⅲはこの「枠」を外して再構成する,あるいはヴィゴツキーやエンゲストロームの拡張的学習にもみられるように,意識的な自己変革として身体/環境の関わり方の再解釈を試みていくような学習の構造をとる.すなわち学習Ⅲは学習Ⅱの再構築,すなわち学習(Ⅰ)の学習の仕方(Ⅱ)の再学習(Ⅲ)である.これをリハビリテーションで考えていきたい.また学習Ⅲは継続的な再構築を意味するので,どちらかといえば脱構築Deconstructionと捉えた方がよいと考えられる.矛盾(ダブルバインド)に対する気付きが学習Ⅲになり得るか?既得していた過去の行為の想起は?これらの点について議論していきたい.
上記内容について,「第24回 認知の時間 - 第23回学術集会 特別企画シンポジウム」にて準備的討議を行っている.