[CSP22-2] わが国におけるSEEGの現状と将来
Stereo-electroencephalography(SEEG)は、てんかんの術前精査を目的にフランスを中心に発展した手法である。定位手術ロボット装置の導入を契機に国際的に普及が拡大している。わが国は、開頭硬膜下電極留置による脳表脳波を侵襲的精査の主な手法とする施設が多い。しかし、米国ではSEEGを主な手法とするてんかんセンターが増えている。SEEGは開頭を要しないために侵襲が低く、硬膜下電極ではアプローチが困難な深部皮質からの記録が可能である。硬膜を大きく開ける必要がなく、再手術例でも適応が容易である。また、大脳の広範囲からの記録、両側半球からの記録にも有利である。
わが国では定位手術ロボット装置を用いた頭蓋内電極留置術が令和2年度診療報酬改定にて保険収載された。実施にあたっては学会指針を遵守することが留意事項とされている。
深部電極による頭蓋内脳波は、わが国でもしばしば用いられてきた手技である。しかし、SEEGは単なる深部電極脳波を指すわけではない。発作症候と脳波所見から導かれるてんかん発作の解剖学的ネットワークの仮説(anatomo-electro-clinical hypothesis)、およびその対立仮説を考え、それを証明するための留置計画が求められる。仮説を証明するためには、十分な数(概ね7本以上)の深部電極を利用することが推奨されている。
SEEGは脳波と発作症候を重視した手法であり、開頭硬膜下電極留置とは哲学が異なる点を理解する必要がある。硬膜下電極留置では、てんかん原性領域や機能野の局在とその境界を正確に決めるために、脳表を連続的に電極でカバーしようとする。しかし、SEEGではそのような考え方をしない。てんかん原性領域は仮説として存在しており、それが正しいかどうかを示すために留置が計画される。これまでSEEGによって明らかにされてきた深部辺縁系の発作症候学や病態(temporal plus epilepsyなど)をよく理解し、仮説の立て方と留置計画を学んで注意深く実施することが求められると思われる。
開頭硬膜下電極留置に代わってSEEGが実施される症例が、今後はわが国でも増える可能性がある。また、これまでは開頭術が躊躇されていた例にSEEGが実施されるケースもあるであろう。しかし、SEEGは完全に開頭硬膜下電極留置を置き換えるものではなく、症例によって適切な手法を選択する考え方が大事と思われる。
わが国では定位手術ロボット装置を用いた頭蓋内電極留置術が令和2年度診療報酬改定にて保険収載された。実施にあたっては学会指針を遵守することが留意事項とされている。
深部電極による頭蓋内脳波は、わが国でもしばしば用いられてきた手技である。しかし、SEEGは単なる深部電極脳波を指すわけではない。発作症候と脳波所見から導かれるてんかん発作の解剖学的ネットワークの仮説(anatomo-electro-clinical hypothesis)、およびその対立仮説を考え、それを証明するための留置計画が求められる。仮説を証明するためには、十分な数(概ね7本以上)の深部電極を利用することが推奨されている。
SEEGは脳波と発作症候を重視した手法であり、開頭硬膜下電極留置とは哲学が異なる点を理解する必要がある。硬膜下電極留置では、てんかん原性領域や機能野の局在とその境界を正確に決めるために、脳表を連続的に電極でカバーしようとする。しかし、SEEGではそのような考え方をしない。てんかん原性領域は仮説として存在しており、それが正しいかどうかを示すために留置が計画される。これまでSEEGによって明らかにされてきた深部辺縁系の発作症候学や病態(temporal plus epilepsyなど)をよく理解し、仮説の立て方と留置計画を学んで注意深く実施することが求められると思われる。
開頭硬膜下電極留置に代わってSEEGが実施される症例が、今後はわが国でも増える可能性がある。また、これまでは開頭術が躊躇されていた例にSEEGが実施されるケースもあるであろう。しかし、SEEGは完全に開頭硬膜下電極留置を置き換えるものではなく、症例によって適切な手法を選択する考え方が大事と思われる。