日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

関連学会合同シンポジウム

関連学会合同シンポジウム24 経穴刺激による脳・脊髄機能への影響  (全日本鍼灸学会)

2020年11月28日(土) 15:20 〜 16:50 第6会場 (2F I)

座長:坂口 俊二(関西医療大学)、木村 研一(関西医療大学)

[CSP24-1] 経穴とは

谷万喜子1,2 (1.関西医療大学大学院 保健医療学研究科, 2.関西医療大学 保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科)

経穴は、鍼灸治療をおこなう上で、重要な意味を持つものである。現代日本においてはいわゆる「ツボ」として認識されることが多い。しかし、その実態が解剖学的に確認されているものではない。その点において、医学の中ではその意味に疑問を持たれることも私たち鍼灸師にも充分理解できることである。鍼灸治療で経穴を用いる場合、それは単に鍼・灸の刺激点というだけでなく、身体内部の状況を知る反応点として治療部位の選択に用いている。1990年代から2000年代に、補完代替医療(CAM: Complementary and Alternative Medicine)、統合医療(Integrative Medicine)といった観点から東洋医学への認識が高まってきたと考えられる。その時期までにWHOでは、鍼用語の標準化をおこなっていたが、2003年からは国際的な経穴部位標準化の検討が始まった。2008年には、経穴部位標準化会議の決定事項について、WHO/WPRO: WHO Western Pacific Region Office(WHO西太平洋地域事務局)から『WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region』として公式英語版のテキストが出版された。本テキストでは、14の経絡、361の経穴がまとめられている。