[CSP6-4] 経頭蓋直流電気刺激と二重課題中の平衡機能
歩きながら会話をすると、足元の石につまずくときがある。携帯電話を操作しながら、車の運転をしてはいけない。ハンドル操作を誤り、交通事故につながるからである。二つの課題を同時に行うと、一方もしくは両方の課題成績が低下する。この課題成績の低下は二重課題干渉(dual-task interference)と呼ばれ、先述のように転倒や事故の一因になる。二重課題干渉は、日常生活で一般的にみられる現象でありながら、時として重大な問題を生む現象である。
二重課題干渉の発生を抑制する方法として、「抑制したい二重課題を反復する方法」が臨床では用いられてきた。しかし、この方法では反復した二重課題にのみ、抑制効果を生じる。したがって、二重課題を反復する方法は日常生活の様々な場面で生じる二重課題干渉を抑制するには汎用性にとぼしく、非効率的な方法であった。
近年、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct-current stimulation: tDCS)を用いると、二重課題干渉は抑制されることが明らかになった。二重課題を行わずとも二重課題干渉が抑制された点が重要であり、tDCSは日常生活で遭遇する様々な二重課題干渉に対して効果を示す可能性が高い。
そこで今回の発表では、二重課題干渉に対するtDCSの効果を紹介する。また、その中でも特に平衡機能で生じる二重課題干渉に焦点をあて、tDCSが転倒や事故を防止する新たな方法となるのか検討していきたい。
二重課題干渉の発生を抑制する方法として、「抑制したい二重課題を反復する方法」が臨床では用いられてきた。しかし、この方法では反復した二重課題にのみ、抑制効果を生じる。したがって、二重課題を反復する方法は日常生活の様々な場面で生じる二重課題干渉を抑制するには汎用性にとぼしく、非効率的な方法であった。
近年、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct-current stimulation: tDCS)を用いると、二重課題干渉は抑制されることが明らかになった。二重課題を行わずとも二重課題干渉が抑制された点が重要であり、tDCSは日常生活で遭遇する様々な二重課題干渉に対して効果を示す可能性が高い。
そこで今回の発表では、二重課題干渉に対するtDCSの効果を紹介する。また、その中でも特に平衡機能で生じる二重課題干渉に焦点をあて、tDCSが転倒や事故を防止する新たな方法となるのか検討していきたい。