50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

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教育講演

教育講演15

Sat. Nov 28, 2020 8:30 AM - 9:30 AM 第2会場 (2F B-1)

座長:岩﨑 博(和歌山県立医科大学整形外科学講座)

[EL15] 脊髄誘発電位と共に-基礎から臨床へ-

里見和彦 (紘友会三鷹病院整形外科)

脊髄誘発電位は誘発電位の一分野で、かつ臨床神経生理学会の専門医制度の一分野となっています。小生は昭和45年卒業で、初めての研究テーマは「ヒトにおける皮膚誘導による脊髄誘発電位の測定」でした。しかし、その電位はあまりにも小さく「all or none」の世界で、物足りなさを感じました。当時日本では、脊髄硬膜外刺激および記録による脊髄誘発電位の基礎的ならびに臨床的研究が黒川高秀先生、玉置哲也先生を中心に進んでいました。そんななか、小生も米国で脊髄誘発電位に関する基礎的実験を行うことができました。一方、刺激法では末梢神経刺激や経皮的大脳刺激などが、記録法でも筋記録などが実用化してきました。その結果、脊髄誘発電位は感覚系電位と運動系電位と分けて理解されるようになりました。また、それらの電位を利用しての術中脊髄モニタリングが進歩していきました。現在、モニタリング波形のアラームポイントの設定とその検証が行われています。我々の研究グループでは、各種誘発電位の波形起源に関する基礎的研究と術中記録電位による頸髄症などの病巣高位診断を行ってきました。講演では、今までの我々の取り組みと、現在も行なっている研究テーマなどに付いて解説します。特に、基礎的研究の研究手法などが若手研究者の参考になれば幸いです。