日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-17] 時間周波数解析での後頭部優位律動の適切な抽出は心因性非てんかん性発作(PNES)診断に有用である

石橋はるか1,2, 宇佐美清英3, 高橋瑠莉1, 河村祐貴1, 後藤昌広1, 細川恭子1, 音成秀一郎2, 下竹昭寛1, 本多正幸4, 人見健文4, 松橋眞生3, 丸山博文2, 高橋良輔1, 池田昭夫3 (1.京都大学大学院 医学研究科 臨床神経学, 2.広島大学大学院 医系科学研究科 脳神経内科学, 3.京都大学 医学部医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座, 4.京都大学 医学部医学研究科 臨床病態検査学)

【目的】時間周波数解析による後頭部優位律動(PDR)の評価は覚醒状態の把握に有用であるが、体動が激しい発作時脳波等での評価は困難である。時間周波数解析でPDR抽出とノイズ除去可能な電極選択と、PNES診断への応用について検討した。
【方法】発作時脳波を捕捉し最終的にPNESと診断した3名(21回の発作)を対象とし、(O1+O2)-Aav、Cz-Aav、(O1+O2)-Cz、Pz-CzからDensity modulated spectral allay(DSA)を解析評価した。
【結果】(O1+O2)-Aav以外の3種の電極選択ではノイズが軽減し、発作時にも覚醒時と同様の明瞭な10Hz程度の脳波活動が視認できPDRと判断した。最もノイズを軽減できる電極選択は発作状況により異なった。
【結論】DSA解析で適切な電極の選択はノイズの軽減に有用である。PNES疑いの発作中のPDRの抽出で覚醒状態と判断でき、積極的PNES診断の一助となる可能性がある。