[P13-2] 神経性やせ症における定量脳波解析の検討
【目的】神経性やせ症(AN)は複雑な精神症状と、低栄養による多彩な身体症状を呈する疾患である。病態生理や後天的な思考力や認知機能の低下により、前頭葉機能を中心とした脳機能の低下が示唆されている。これまでANにおいて定量脳波的研究は乏しく、この度予備的研究を行った。【方法】当科に入院した3例のAN患者の安静時閉眼脳波に対してeLORETAを用いて、電流源密度解析を行った。【結果】3例のうち2例はδ~β帯域で、1例はδ~α帯域で後頭葉から頭頂葉にかけて電流源密度が上昇しており、前頭葉領域での相対的な低下を認めた。その他、1例はβ帯域で前頭葉の電流源密度の上昇を認めた。【考察】SPECTやPETを用いた脳機能画像研究では、前頭葉や前帯状回の機能低下の可能性が報告されており、本解析においても同様の脳機能の低下を反映している可能性が示唆された。少数例での検討であるため、健常人との比較も含め、さらなる症例の集積が必要である。