日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 精神疾患

[P13-4] 治療抵抗性うつ病患者の前帯状回GABA濃度によるrTMS治療反応予測

本多栞1, 野田賀大1, 和田真孝1, 宮崎貴浩1, 中西智也1,2, 新井脩泰1, 李雪梅1, 垂水良介1, 三村悠1, 越智涼1, 津川幸子1, 三村將1, 中島振一郎1 (1.慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室 精神病態生理学研究室, 2.東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室)

【目的】うつ病患者では脳内GABA濃度の低下が示唆されるが, 反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の治療効果との関連は不明である. 本研究では治療前の背側前帯状回(dACC)のGABA濃度とrTMSの治療反応性の関連を検討することを目的とした.
【方法】治療抵抗性うつ病患者29名を対象に左背外側前頭前野に対するrTMSを行なった. 治療前にプロトン磁気共鳴スペクトロスコピーを用いてdACCのGABA濃度を測定し、治療前後でうつ病重症度評価を行った.
【結果】治療反応者(13名)は非反応者(16名)と比較し, 治療前のdACC-GABA濃度が低い傾向を示した. また, 反応群と非反応群との間で治療前GABA濃度とうつ症状スコアとの関係に有意傾向の差が認められた.
【結論】治療前のdACC-GABA濃度から治療抵抗性うつ病患者のrTMSに対する治療反応性を予測できる可能性が示唆された.