[P14-12] 覚醒/睡眠によるてんかん性放電の変化:脳卒中後てんかん1症例における臨床的意義の検討
【目的】脳卒中後てんかん症例において覚醒/睡眠によるてんかん性放電の変化を検討する.【方法】症例は83歳,左半球の心原性脳梗塞にて右片麻痺が残存,焦点発作により失語・右上肢痙攣を呈する右利き女性.20分間の脳波記録をオフラインで視察し,覚醒と睡眠におけるてんかん性放電の頻度・棘成分の頂点間振幅(基準電極誘導法)を比較した.【結果】脳波所見は後頭部優位律動7-8Hz,覚醒38%,軽睡眠62%で,頭頂後頭部に持続性徐波および棘波・鋭波を認めた.覚醒時は睡眠時に比し棘波・鋭波の頻度(覚醒52個: 6.93個/分,睡眠19個: 1.52個/分)および振幅(覚醒102.2±33.8μV,睡眠88.4±22.6μV,p=0.031、Mann-Whitney U検定)が高かった.【考察】脳卒中後てんかん1症例において覚醒によるてんかん性活動の増強を確認した.半球後方のてんかん原性獲得には覚醒に関連する神経ネットワークが関与する可能性がある.