日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-12] 覚醒/睡眠によるてんかん性放電の変化:脳卒中後てんかん1症例における臨床的意義の検討

中倉真之1, 木下真幸子2, 傳和眞3,4, 山本敦史3, 崔聡3, 今井啓輔3, 小薗治久1, 浦田洋二1,5 (1.京都第一赤十字病院 検査部, 2.国立病院機構 宇多野病院 脳神経内科, 3.京都第一赤十字病院 脳神経・脳卒中科, 4.西湘病院 脳神経外科, 5.京都第一赤十字病院 病理診断科)

【目的】脳卒中後てんかん症例において覚醒/睡眠によるてんかん性放電の変化を検討する.【方法】症例は83歳,左半球の心原性脳梗塞にて右片麻痺が残存,焦点発作により失語・右上肢痙攣を呈する右利き女性.20分間の脳波記録をオフラインで視察し,覚醒と睡眠におけるてんかん性放電の頻度・棘成分の頂点間振幅(基準電極誘導法)を比較した.【結果】脳波所見は後頭部優位律動7-8Hz,覚醒38%,軽睡眠62%で,頭頂後頭部に持続性徐波および棘波・鋭波を認めた.覚醒時は睡眠時に比し棘波・鋭波の頻度(覚醒52個: 6.93個/分,睡眠19個: 1.52個/分)および振幅(覚醒102.2±33.8μV,睡眠88.4±22.6μV,p=0.031、Mann-Whitney U検定)が高かった.【考察】脳卒中後てんかん1症例において覚醒によるてんかん性活動の増強を確認した.半球後方のてんかん原性獲得には覚醒に関連する神経ネットワークが関与する可能性がある.