[P14-16] 難治性側頭葉てんかんのsEEGにおける、発作期・発作間欠期hypersynchronousパターンの違いの臨床的意義
【目的】28歳女性の難治側頭葉てんかん症例に行った定位的深部脳波記録SEEGにおいて左海馬頭部電極に0.5~3Hzで反復する高振幅(1100~3000mV)で持続時間の長い(約700ms)脱分極波形を頻回に認めた(hypersynchronous pattern: HYP)。HYPでは 1)low voltage fast(LVF)(subclinical seizure)が後続する発作期と2)LVFを伴わない発作間欠期の2群に分類でき、両者でのHYPの挙動を比較した。【方法】SEEG術後8日目の発作期44回、発作間欠期20回のHYPを解析対象とし、HYPの各脱分極波形の頂点間隔から周波数を計算した。1回のHYP開始から終了までを起始から順に25, 50, 25%の3セグメントに分け、セグメントごとの周波数平均の変化を確認した。【結果】第1に比べ第2あるいは第3セグメントにおいて周波数が上昇したものは発作期HYPでは25回(57%)、発作間欠期HYPでは3回(15%)だった。【結論】周波数上昇を示すHYPはLVFに移行し、発作発現機序に関わる可能性が考えられた。