日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 睡眠

[P15-4] メチルフェニデート使用後に統合失調症症状が顕在化したナルコレプシー1型の一例

稗貫理恵1,2, 高江洲義和2, 今村弥生2, 片桐建志2, 前田優那2, 梶ヶ谷仁志2, 世宮俊輔2, 中島亨3, 神林崇4, 渡邊衡一郎2 (1.多摩病院, 2.杏林大学 医学部付属病院 精神神経科学教室, 3.杏林大学 医学部付属病院 保健学部, 4.筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)

【背景】過眠を主訴とする若年者には,精神疾患ハイリスク者を含む可能性がある.今回ナルコレプシーの診断でメチルフェニデート(MPD)使用後に統合失調症症状が顕在化した一例を経験した.【症例】20歳,男性.小学生時より日中の眠気を自覚し,高校生時には幻聴,情動脱力発作が出現した.X年にナルコレプシー1型の診断でMPDの内服を開始したが,効果は不十分であった.X+2年,通常用量以上のMPDを内服後,幻聴が活発化し入院となった.HLA,オレキシン値からナルコレプシーと診断し,統合失調症も併存すると考えた.抗精神病薬の使用で幻聴は改善が得られ,現在はモダフィニルと抗精神病薬を併用し,通学しながら外来通院を継続している.【考察】本症例は,ナルコレプシーの診断時点で幻聴を認めていたが、症状が顕在化した経緯には,MPD使用が関与していると考えた.若年者、特に幻覚・妄想等の精神症状を有する者においてMPD使用は慎重を期す必要がある.