日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 不随意運動・基底核疾患

[P18-2] 振戦と小脳失調の定量評価

望月仁志1, 石井信之2, 望月優輝3, 酒井克也1, 塩見一剛1, 中里雅光4 (1.宮崎大学 医学部 脳神経内科, 2.千代田病院 神経内科, 3.ピクシーダストテクノロジーズ, 4.宮崎大学 医学部 内分泌代謝糖尿病内科)

【目的】振戦および小脳失調の診察は、通常は定性的な方法しかない。今回我々は、古典的な診察方法である「紙に書いた渦巻き」を患者になぞってもらい、その描画画像を分析するプログラムを作成し、検証した。【方法】対象は、本態性振戦(ET、24名、46画像)、小脳失調(CD、26名、56画像)、正常(NL、41名、69画像)。方法は、基準となる渦巻きをA4紙に印刷し、被験者に赤ペンでなぞってもらう。なぞった線が、基準となる渦巻きと比較しての長さの比率(%)、および基準となる渦巻きからのずれの面積(mm2)、を画像解析した。比較のためにETはTETRAS、CDにはICARSでの評価も行った。【結果】ET群では長さは107%(平均)、面積は1059 mm2、CD群は112%、1297 mm2、NL群102%、726 mm2であった。個々の定量値は臨床上の重症度と強い正の相関を示した。【結論】振戦と小脳失調の特徴の一部ではあるが、診察所見を容易に定量化できる方法を開発した。