日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 運動ニューロン疾患

[P19-5] 上肢近位筋の著明な萎縮を呈する脳表ヘモジデリン沈着症の病巣解析

岩瀬遼1, 三條伸夫1, 叶内匡2, 横田隆徳1 (1.東京医科歯科大学 脳神経病態学分野, 2.東京医科歯科大学医学部附属病院 検査部)

【目的】脳表ヘモジデリン沈着症(SS)発症に10年以上先行して、運動ニューロン疾患様の上肢近位筋萎縮が先行する症例群(SS-A)に関して、障害部位を明らかにする。【方法】当院のSS-A症例3例を後方視的に電気生理検査と画像で病巣解析した。【結果】全例で手内筋導出のNCSに異常はなかった。2例は針筋電図で患側近位筋に限局性慢性脱神経所見と、MEP・SEPで患側優位の中枢伝導時間の延長、うち1例の頸椎MRIで髄内高信号を認め、脊髄前角の障害が示唆された。他の1例は針筋電図で患側上肢近位筋に慢性・急性脱神経所見を認め、MEPとSEPで患側中枢伝導時間は延長せず、ミエロCTでC5-7の硬膜外腔の造影剤貯留を認め、前根の圧迫が示唆された。【結語】SS-A症例では、同様の筋萎縮分布を呈するが、その原因は脊髄前角の障害と前根の障害を示唆される症例がいることが明らかとなった。