[P2-6] 健常者における安静時脳磁図ネットワークの加齢性変化
【目的】加齢は神経変性疾患の最重要リスクであり、近年、脳内神経回路からみた神経変性疾患の病態理解が急速に進んでいる。今回、脳磁図(MEG)を用いた脳内神経回路の加齢性変化を多数例で検討した。【方法】健常者157例の安静時MEGデータを用いて、Amplitude Envelope Correlationにより、default mode networkの楔前部とsensorimotor networkの内側前頭皮質を関心領域として全脳ネットワークを周波数帯域毎に作成し、安静時機能的MRI(fMRI)所見と比較した。各年代30名の平均相関図を作成し加齢性変化を検討した。【成績】いずれの関心領域でもβ周波数帯域のMEGネットワークの形状が安静時fMRIの結果と類似していた。有意な結合を認めた領域数は、加齢によりα周波数帯域とβ周波数帯域で異なる変動を呈していた。【結論】加齢による脳内神経回路の変化は、周波数帯域毎に異なり、単純な線形変動ではない可能性が示唆された。