日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 末梢神経疾患

[P21-16] 多発脳神経麻痺で発症し、膠原病の関与が疑われた慢性炎症性脱髄性多発根神経炎:CIDPの一例

木村裕子1, 神末怜1, 長谷川樹1, 武田景敏1, 田村暁子2, 伊藤義彰1 (1.大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経内科学, 2.住友病院 脳神経内科)

症例は47歳女性。X-1年10月に口唇周囲・四肢末梢のしびれ感、複視が出現し、11月中旬に当科を初診。右滑車・両側三叉・左外転神経障害あり、四肢は異常所見を認めなかった。血液検査で血沈亢進、IgG上昇、多数の自己抗体陽性を認め、髄液で蛋白細胞解離を認めた。神経伝導検査(NCS)では、尺骨神経の運動刺激で肘周囲に伝導ブロック、四肢のF波異常、正中神経のSNAP低下など限局した異常を認めた。頭部MRIで両三叉神経に造影効果を認めた。CTで腹腔内リンパ節腫大があり、腫瘍、自己免疫疾患を疑ったが確定診断に至らず、症状は自然軽快した。X年4月に四肢筋力低下としびれ感が出現し急速に増悪した。四肢の遠位優位の筋力低下、腱反射消失、全感覚低下を認め、NCSでは広範な脱髄性ニューロパチーを認めた。CIDPと診断しIVIgを施行するも改善は乏しくステロイドを導入した。本症例は多発脳神経麻痺で発症したCIDPであり、発症機序に膠原病の関与が示唆された。