日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター その他の整形外科領域

[P24-2] 手根管症候群における超音波正中神経断面積計測と神経伝導検査の関連性

長谷川和重 (仙塩利府病院 整形外科)

手根管症候群(CTS)と診断し、超音波正中神経断面積(CSA)と神経伝導検査(NCS)を測定した59例80手を対象とした。男30手、女50手、右47手、左33手、平均年齢70歳(34~93)で、CSAは遠位手関節皮線部で計測した値を用いた。CSAが11mm2未満をA群、11mm2以上14mm2未満をB群、14mm2以上をC群の3群に分け、遠位潜時(DL)、振幅(Amp)について検討した。DLとAmpの相関から線形関数を求め、Amp=0の場合のDL値をDL導出不能時の値とした。Kruskal-Wallis検定を用いて3群間の比較を行った。DLとAmpは有意な負の相関があり(r=-0.78)、線形関数から推定した導出不能時のDL=17.5msであった。A群B群C群の順に、DLは中央値6.1ms、9.1ms、9.7ms、Ampは6.1mV、2.0mV、1.2mVであった。DLは3群間に有意差がみられた(P<0.05)。CSAが増大するとDLも延長しており、CSAの増大でCTSが診断できる可能性が示唆された。