日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター リハビリテーション

[P25-14] 寒さで手がかじかむ感覚の神経生理学的検討

佐藤あやの, 今井富裕 (札幌医科大学 保健医療学部)

【目的】短母指外転筋を被験筋とし,冷却後の復温に伴う複合筋活動電位(CMAP)・運動誘発波形(MRP)・興奮収縮連関時間(ECCT)及び感覚神経活動電位(SNAP)の経時的変化を記録する.計測した各生理学的パラメータの変化から,冷却後に運動神経・感覚神経・骨格筋の機能がどのように回復するかを明らかにし,手指がかじかむ感覚との対応を検討する.【対象と方法】18歳以上の健常者を対象とした.バケツの冷水に手関節以遠を浸けて冷却し,冷却前後及び冷却後から複温する過程について上記4パラメータ及び皮膚温を経時的に記録した.また「冷たさ」と「動かしにくさ」についてVASを用いて主観的に評価した.【結果】皮膚温や末梢神経伝導が回復した後も,ECCTの延長が持続し,「かじかんだ感覚」が残存していた.【結論】冷却時の「かじかんだ感覚」は末梢神経伝導の変化よりも,筋収縮機能の変化に対応していると考えられた.